最新記事

日中関係

中国軍事評論家、日本を「核の先制不使用」の例外にせよと主張──いったん削除された動画が再浮上

China Officials Share Viral Video Calling for Atomic Bombing of Japan

2021年7月15日(木)18時31分
ジョン・フェン
中国のH2爆撃機

東シナ海で挑発的な飛行を繰り返す中国のH2爆撃機 Joint Staff Office of the Defense Ministry of Japan/ REUTERS

<日本が台湾問題に首を突っ込むなら「核攻撃しろ」という衝撃動画を、地方の中国共産党委員会が再公開>

中国北西部の共産党委員会が日本を標的とする核攻撃動画をネット上で再公開した。

この動画は7月11日に中国の動画投稿サイト・西瓜視頻に個人のユーザーがアップし、広く拡散したもの。いったんは削除されたが、地方当局による再公開でまたもや多数の「いいね!」を集めている。

再公開に踏み切ったのは陝西省宝鶏市の共産党委員会だ。中国は核を持たない国には核攻撃を行わないと宣言しているが、日本が台湾問題に首を突っ込んだら、「例外的に」核を使用してもいいと、この動画は主張している。

6分間程の動画は、軍事チャンネル「六軍韜略」が制作したもの。最初の公開から削除までのわずか2日間で200万回以上再生された。

六軍韜略が掲げるのは「日本例外論」だ。中国は核攻撃を受けない限り、核兵器を使用しない「核の先制不使用」政策を維持し、非核保有国には核を使わないと誓っているが、日本はこの原則から外すべきだ、というのである。

麻生発言に猛反発

その理由として、六軍韜略が挙げるのは、日本高官の最近の発言だ。このところ岸信夫防衛相と中山泰秀副防衛相はさまざまな場で中国の軍事的な脅威に警戒感を示し、台湾の安定は日本の安全保障にとって非常に重要だと論じている。

さらに、麻生太郎副首相兼財務相は7月5日に行なった講演で、中国軍が台湾に侵攻する「台湾有事」のシナリオを描いてみせ、その場合、日本の存立が脅かされ、安全保障関連法の「存立危機事態」に該当するため、自衛隊が米軍と共に台湾海峡に向かう「集団的自衛権の行使」もあり得ると述べた。

中国政府はこの発言に猛反発し、日本政府に強く抗議したが、六軍韜略は抗議程度では満足しない。日本が台湾との統一を邪魔立てするなら、ただの報復攻撃にとどまらず、全面戦争を宣言すべきだ、というのだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

豪中銀、インフレ定着なら追加利上げも=ブロック総裁

ビジネス

米フォード、全社的なボーナス増額 車両の品質改善受

ワールド

トランプ氏、国防総省に石炭火力発電所からの電力購入

ビジネス

ECB、EU首脳に危機耐性強化に向けた重要改革項目
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トランプには追い風
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 5
    一体なぜ? 中国でハリー・ポッターの「あの悪役」が…
  • 6
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 7
    【独自取材】「氷上のシルクロード」を目指す中国、…
  • 8
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 9
    あなたの隣に「軍事用ヒト型ロボット」が来る日
  • 10
    まさに「灯台下暗し」...九州大学の研究チームが「大…
  • 1
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 5
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 6
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 7
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 8
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 9
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 10
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 6
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を…
  • 7
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中