最新記事

中国

習近平、中国共産党100年記念式典で演説 軍事力増強や台湾「統一」決意

2021年7月1日(木)17時29分

中国政府は、1年前に導入した香港国家安全維持法(国安法)を通じて香港の締め付けを強化。香港警察は、新型コロナウイルス感染防止を理由に、英国から中国への返還記念日に当たる7月1日にデモ行進を行うことを禁止した。

米調査機関ピュー・リサーチ・センターが30日に発表した先進17カ国を対象とする調査によると、中国に対する見方は依然広範囲にわたって否定的で、習近平国家主席に対する信頼度は過去最低水準にとどまった。

台湾「統一」

習氏は、台湾の「統一」を実現する決意を表明し、台湾の独立に向けたいかなるたくらみも「粉砕する」と強調した。

「台湾問題の解決と祖国の完全統一の実現は中国共産党の揺るぎない歴史的任務で、中国全国民の共通の願いだ」と述べた。

「台湾海峡の両側の同胞を含む中国の全ての息子と娘は協力し、団結して前進し、いかなる『台湾独立』のたくらみも断固として粉砕する必要がある」と訴えた。

習氏の演説を受けて、台湾で対中政策を所管する大陸委員会は、共産党は「一定の経済的発展」を成し遂げたが、人々の自由を踏みにじる体制だと断じ、民主主義を受け入れるよう訴えた。

「過去の意思決定上のミスと繰り返される有害な行動が、地域の安全保障にとって深刻な脅威となってきた」と指摘。台湾市民は「一つの中国」を認めていないとした上で、中国は軍事的脅しをやめ、対等な立場で台湾と交渉すべきとした。

さらに「台湾の主権と民主主義を断固として守り、台湾海峡の平和と安定を維持しようとする台湾当局の決意は揺るがない」と強調した。

党員数が大幅増

中国共産党は当初、小作農や労働者を党員に勧誘していたが、その後は「中国の特色を持つ社会主義」の下、市場や起業を受け入れるようになっている。

6月30日に公表されたデータによると、党員の数は2020年に243万人増え、9515万人に達した。年間の増加幅としては、習氏が13年に国家主席に就任して以来で最大を記録した。

習氏は「中国の全ての人々の利害と運命」は党指導部と結び付いており、人々を党に反逆させるようないかなる試みも失敗すると強調。

「14億人以上の中国人民は、そうしたシナリオが現実のものとなるのを、決して許さないだろう」と語った。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

12月FOMCでの利下げ見送り観測高まる、モルガン

ビジネス

米シカゴ連銀総裁、前倒しの過度の利下げに「不安」 

ワールド

IAEA、イランに濃縮ウラン巡る報告求める決議採択

ワールド

ゼレンスキー氏、米陸軍長官と和平案を協議 「共に取
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 4
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 5
    幻の古代都市「7つの峡谷の町」...草原の遺跡から見…
  • 6
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    【クイズ】中国からの融資を「最も多く」受けている…
  • 9
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中