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バイデンが禁止令を撤回したWeChatがそれでも「要注意アプリ」な理由

Why WeChat is China's Most Controversial App

2021年6月11日(金)14時36分
ローレン・ギエラ
WeChatのロゴ

バイデンはWeChatの利用禁止を撤回すると同時に安全保障上の懸念についての調査を指示した stockcam-iStock

<中国共産党の批判や民主化支持の投稿内容を検閲し、新型コロナ関連の情報検索を制限していることも明らかに>

ジョー・バイデン米政権は5月9日、中国の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」や通信アプリ「WeChat(ウィーチャット)」の利用を禁じていたドナルド・トランプ前政権の大統領令を撤回すると発表。同時にこれらのアプリを利用することによる安全保障上のリスクについて、独自に「証拠に基づく」分析を行うと表明した。

サイバーセキュリティサービスを提供するオンショア・セキュリティのステル・バラバニス最高経営責任者(CEO)は本誌に対し、バイデンのアプローチはトランプよりも「婉曲的」だとの見解を示した。トランプが「高圧的な」全面禁止措置を取ったのに対し、バイデンは時間をかけて証拠固めをする方法を取っていると説明した。

バイデンは9日の発表の中で、米商務省が今後、米国民の個人データの保護強化について幾つかの提言を行い、また中国と関連のあるアプリのリスクを改めて明らかにすると述べた。

サイバーセキュリティコンサルティング企業シナジステックのケーレブ・バーローCEOは、バイデンの動きは「サイバーセキュリティが重要な問題だという認識」の表れだと指摘する。

「これらのアプリについては、単に利用を禁止しようとする以外にも、適切な規制や監視によって影響を及ぼす方法が幾つかある」と彼は本誌に語った。

「国家安全保障上の脅威がある」

中国のテック企業である騰訊(テンセント)が運営するメッセージアプリのWeChat(中国国内版は「微信」)は、中国では「スーパーアプリ」として知られている。ユーザーは1億人を超え、メッセージ以外にもニュースや決済サービス、ゲームや旅行の予約もできる。

だが同アプリについては、検閲やユーザー監視が行われているという批判の声もある。トランプ前米大統領は2020年、データ収集のおそれや国家安全保障上の脅威があるとして、WeChatをはじめとする複数の中国系アプリの利用を禁止した。

トランプは大統領令の中で、「このデータ収集によって、中国共産党が米国民の個人情報や機密情報を入手できるようになるおそれがある」と指摘し、さらにこう続けた。「問題のアプリはアメリカを訪れている中国人の個人情報や機密情報を入手している。これによって中国共産党が、人生で初めて自由な社会を楽しんでいるかもしれない中国市民を監視できるようになる」

中国政府は、これらの批判を否定。中国外務省の汪文斌報道官は当時、「アメリカは国の安全保障を口実に国家権力を利用して、アメリカ系以外の企業を迫害している」と反論した。

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