最新記事

感染症対策

バイデン、米認可コロナワクチンを国外に供給へ 6月末までに2000万回分

2021年5月18日(火)09時44分
バイデン大統領

バイデン米大統領は17日、米国で緊急使用を承認している新型コロナウイルスワクチン少なくとも2000万回分を6月末までに国外に供給すると発表した。写真はバイデン大統領(2021年 ロイター/Leah Millis)

[ワシントン/チューリヒ 17日 ロイター] - バイデン米大統領は17日、米国で緊急使用を承認している新型コロナウイルスワクチン少なくとも2000万回分を6月末までに国外に供給すると発表した。

米ファイザー・独ビオンテック、米モデルナ、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)各社のワクチンが含まれる。

米政府はこれまでに英アストラゼネカ製ワクチン6000万回分の供給を計画しているが、同国で使用が承認されているワクチンの国外供給は今回が初めて。

バイデン大統領は「米国は第2次世界大戦中、民主主義を守る弾薬庫だったように、新型コロナに対する戦いで米国はワクチンの弾薬庫となる」と表明。どの国よりも多くのワクチンを他の国に届けると述べた。

ホワイトハウスは具体的にどの国にワクチンを提供するか明らかにしていないが、バイデン大統領によると、ホワイトハウスの新型コロナ対策調整官、ジェフ・ザイエンツ氏が他の国に対するワクチン提供計画も率いる。

米国はこれまでのところ、カナダとメキシコに対し数100万回分のアストラゼネカ製ワクチンを提供したのみ。

世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、バイデン大統領の表明を歓迎。「ワクチンを必要としている国に寄付するとの米国のコミットメントを歓迎する。世界的な公衆衛生への貢献に深く感謝する!(ワクチンの公平な分配を目指す国際的な枠組みである)COVAXのパートナーは、公平な分配に向け準備を整えている。世界中の人々の命と生活を守るには、連帯しかない」とツイッターに投稿した。

ロイターの試算や州当局のデータによると、米国では16日までの1週間の新型コロナウイルス感染症による死者が4165人と、5週連続で減少し、2020年3月以降で最少を記録した。

新規感染者数も前週比20%減少の23万3000人で、昨年6月以来の少なさ。

米疾病対策センター(CDC)によると、16日時点で、米国の人口の約37%がワクチン接種を完了、47%が少なくとも1回目の接種を終えている。

バイデン大統領は、大幅な進展が見られているにもかかわらず、死者数は多すぎるとし、接種を受けなければ「代償を払うことになる」と述べた。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

欧州新車販売、8月はBYDが前年比3倍増 2カ月連

ワールド

米、コミー元FBI長官の起訴要求か トランプ氏が敵

ワールド

アップル、EUにデジタル市場法規則の精査要求 サー

ワールド

焦点:米同盟国のパレスチナ国家承認、トランプ氏のイ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
2025年9月30日号(9/24発売)

トヨタ、楽天、総合商社、虎屋......名門経営大学院が日本企業を重視する理由

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...「文学界の異変」が起きた本当の理由
  • 2
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 3
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市場、売上を伸ばす老舗ブランドの戦略は?
  • 4
    【クイズ】ハーバード大学ではない...アメリカの「大…
  • 5
    クールジャパン戦略は破綻したのか
  • 6
    週にたった1回の「抹茶」で入院することに...米女性…
  • 7
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 8
    トランプの支持率さらに低下──関税が最大の足かせ、…
  • 9
    筋肉はマシンでは育たない...器械に頼らぬ者だけがた…
  • 10
    9月23日に大量の隕石が地球に接近していた...NASAは…
  • 1
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 2
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分かった驚きの中身
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 5
    筋肉はマシンでは育たない...器械に頼らぬ者だけがた…
  • 6
    【動画あり】トランプがチャールズ英国王の目の前で…
  • 7
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...…
  • 8
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍…
  • 9
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 10
    「ミイラはエジプト」はもう古い?...「世界最古のミ…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 6
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 9
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 10
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中