最新記事

出会い系

直接対面可能になってもビデオチャットを使う......ジェネレーションZのデートアプリ活用法

2021年4月22日(木)18時45分
冠ゆき

2020年、マッチングアプリの利用者数は急増した...... Prostock-Studio-iStock

<ロックダウンによって、マッチングアプリの利用者は急増。ロックダウンが解除され、直接対面が可能になった後でも、ビデオチャットを使うなど、その感覚の変化が報告された...... >

世界各地でロックダウンが行われた2020年、マッチングアプリの利用者数は急増。アプリ市場の市場調査を行うApp Annieによると、マッチングアプリは世界中で5億6000万回もダウンロードされた。業界大手のアプリTinderでは、その傾向は特にジェネレーションZ(おおよそ1990年代後半から2010年の間に生まれた世代)に顕著だった。

売り上げは前年比15%アップ

マッチングアプリの利用者急増は、売り上げにも反映されている。2020年、マッチングアプリ業界の売り上げは30億ドル(約3200億円)と、前年と比べ15%アップした(BFM TV)。そのうちTinderは、2020年3月末に1日で30億回以上のスワイプ数(アプリの画面を前後に移動する回数)を記録。続いて年末までにさらに130度もこの記録を上回るスワイプ数を記録していた(20minutes) 。

恋愛に限らない出会いの場

Tinderの利用者の半分を占めるのがジェネレーションZだ。Tinderは、18歳以上を利用対象としており、半数が18~25歳ということになる。同アプリは、アプリ内での使用に関する研究を発表し、それによると、ジェネレーションZは、新型コロナウイルスにより人との交わりが大きく制限された時期に、特に活発にアプリを使用した。その40%は、恋愛関係に限らず、「未知の異なる人との出会いを目的に」アプリを開き、波長の合う人との出会いを求めた。

2020年にアプリ内で取り上げられた話題のトップは、アメリカ大統領選挙とNetfixのシリーズものに関する内容だった。また、出会いを容易にするために、興味や趣味の対象を書く自己紹介欄は、コロナ禍以前に比べて3倍の頻度で変更されたという。

直接対面が可能になった後でもビデオチャットを使う

また、デジタルネイティブでもあるジェネレーションZは、ZoomやSkypeで、会話を楽しむことや友だち作りを学んでいる。そのため、Tinder内でもビデオチャットの活用にもためらいがなく、2020年は50%がビデオチャット機能を利用した。また、より牧歌的な環境を求める人には、「あつまれ どうぶつの森 」が広く受け入れられた。しかも、ロックダウンが終わり、直接の対面が可能になった後でもこうした傾向に変化はなく、40%は今後も人と出会うためにビデオチャット機能を使うつもりだと回答した。

また、多様性に対して公平な目を持つ傾向のあるジェネレーションZは、自己のプロフィールを飾ることにも消極的だ。「鬱気味」とか「心配性」というようなマイナスの要素も隠すことなくプロフィール欄に書き、とくにパンデミック以降は「不安感」を明記する例が31%も増えた。マッチングアプリの活用方法には、世代の感覚の変化がしっかりと現れていると言えそうだ。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

ネットフリックス、ワーナー資産買収で合意 720億

ビジネス

アップル、新たなサイバー脅威を警告 84カ国のユー

ワールド

イスラエル内閣、26年度予算案承認 国防費は紛争前

ワールド

EU、Xに1.4億ドル制裁金 デジタル法違反
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い国」はどこ?
  • 2
    「ボタン閉めろ...」元モデルの「密着レギンス×前開きコーデ」にネット騒然
  • 3
    左手にゴルフクラブを握ったまま、茂みに向かって...ジャスティン・ビーバー、ゴルフ場での「問題行為」が物議
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    主食は「放射能」...チェルノブイリ原発事故現場の立…
  • 7
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 8
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 9
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 10
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 1
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 2
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 5
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 6
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 7
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 8
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 9
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 10
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中