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新型コロナウイルス

最悪のコロナ感染拡大中のインドに、救いの手を差し伸べたのは「宿敵」中国

2021年4月28日(水)11時59分
トム・オコナー
急ごしらえの火葬場(4月22日、ニューデリー)

急ごしらえの火葬場(4月22日、ニューデリー) DANISH SIDDIQUIーREUTERS

<長年にわたりインドとの国境紛争を抱えてきた中国だが、インドの苦境に対してワクチン提供を申し出た>

インドで新型コロナウイルスが猛威を振るっている。4月22日には1日の新規感染者数が31万人以上と、不名誉な世界記録を樹立してしまった。

ワクチンを確保しようにも、13億人もの国民に行き渡らせるのは容易ではない。近年、関係を強化してきたアメリカも、ワクチンに関しては「アメリカ・ファースト」を徹底しており、すぐには助けになってくれそうにない。

そんななか、長年の国境紛争で複雑な関係にある隣国・中国が支援に名乗りを上げた。中国外務省の汪文斌(ワン・ウエンビン)報道官は4月22日、「インドが(新型コロナを)管理下に置くために必要な支援を行う準備ができている」と語った。

中国は新型コロナのワクチンは「公共財」だとして、中国製のワクチンを世界83の国と機関に供給してきた。汪は具体的な支援内容には触れなかったが、純粋な善意であれ、何らかの計算があるのであれ、インドが今、喉から手が出るほどワクチンを必要としているのは間違いない。

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