最新記事

アメリカ政治

テキサスやフロリダで下院議席増、米国勢調査を反映で 共和党有利に

2021年4月27日(火)10時06分
アメリカの国勢調査参加を呼びかけるパネル

米国勢調査の新しい人口データに基づき、テキサス、フロリダ、ノースカロライナといった各州で下院の議席が増える見通しとなった。来年の中間選挙で共和党が民主党から下院を奪還する可能性が高まりそうだ。写真は調査参加を呼びかける札、マサチューセッツ州ソマービルで2020年8月撮影(2021年 ロイター/Brian Snyder)

米国勢調査の新しい人口データに基づき、テキサス、フロリダ、ノースカロライナといった各州で下院の議席が増える見通しとなった。来年の中間選挙で共和党が民主党から下院を奪還する可能性が高まりそうだ。

国勢調査局は26日、米国の総人口が3億3144万9281人になったと発表。2010年から7.4%増え、10年間の伸び率としては史上2番目に低い水準となった。

今回のデータ発表は新型コロナウイルス流行の影響で数カ月遅れた。各州は国勢調査データを基に、選挙区の区割り作業を行う。向こう10年間の議会勢力を左右する可能性がある。

米国憲法の下、下院435議席および大統領を選出する選挙人団の票は人口に応じて50州間で分けられる。各州は少なくとも1議席を得る。

国勢調査局によると、テキサス州は来年に2議席上積みされるほか、フロリダ、ノースカロライナ、コロラド、モンタナ、オレゴンの5州はそれぞれ1議席増えることになる。

一方、ニューヨーク、カリフォルニア、イリノイ、ミシガン、オハイオ、ペンシルベニア、ウェストバージニアの各州はそれぞれ1議席失うことになる。国内で人口が最多のカリフォルニア州が議席を失うのは170年の歴史で初めて。

また、当局者によると、ニューヨーク州では人口があと89人多ければ議席を維持できたという。その場合はミネソタ州が議席を失うはずだった。

共和党が州議会を支配するテキサス、ノースカロライナ、フロリダといった州での議席増により、かろうじて過半数を握る民主党の下院支配は覆される可能性がありそうだ。

バージニア大学の選挙アナリスト、カイル・コンディク氏は「議席配分の見直しだけで共和党が数議席を獲得すると予想する」と述べた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・誤って1日に2度ワクチンを打たれた男性が危篤状態に
・新型コロナ感染で「軽症で済む人」「重症化する人」分けるカギは?
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

OPECプラス、7月以降も増産継続へ 自主減産解除

ワールド

バチカンでトランプ氏と防空や制裁を協議、30日停戦

ワールド

豪総選挙は与党が勝利、反トランプ追い風 首相続投は

ビジネス

バークシャー第1四半期、現金保有は過去最高 山火事
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1位はアメリカ、2位は意外にも
  • 2
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 5
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 6
    「2025年7月5日天体衝突説」拡散で意識に変化? JAX…
  • 7
    野球ボールより大きい...中国の病院を訪れた女性、「…
  • 8
    「すごく変な臭い」「顔がある」道端で発見した「謎…
  • 9
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 10
    海に「大量のマイクロプラスチック」が存在すること…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 3
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1位はアメリカ、2位は意外にも
  • 4
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 5
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 8
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 9
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 10
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中