最新記事

新型コロナウイルス

イバンカ・トランプ、3カ月間の「沈黙」を破るツイートに保守派が怒った訳

Ivanka Trump Breaks Social Media Silence

2021年4月17日(土)15時38分
ダニエル・オング
イバンカ・トランプ

JONATHAN ERNST-REUTERS

<バイデン政権が発足したときから更新が止まっていた彼女のツイッターアカウントだが、久々の投稿は共和党員の心をかき乱すものだった>

ドナルド・トランプ前米大統領の長女イバンカが4月14日、久々のツイッター投稿を行った。投稿はトランプを破ったバイデンが大統領に就任した1月末から、更新がストップしていた。

約3カ月ぶりとなる投稿で彼女が伝えたのは、新型コロナウイルスのワクチンを接種した様子。自らの腕に注射されている写真をアップし、国民に自分と同じように接種を受けるよう促すメッセージを記した。

「今日、接種を受けた!!! 皆さんも同じことをしてくれるよう願う! トーレス看護師、ありがとう!!!」

トランプの近親者のなかで、新型コロナのワクチン接種を公表したのはイバンカが初めてだ。ドナルドとメラニアの夫妻は接種を受けたことを公表していないが、米ニューヨークタイムズ紙は3月上旬、2人は1月にすでに接種していたと報じている。

ニューヨークタイムズ紙のマギー・ハバーマン記者によれば、トランプは3月になって初めて「私が大統領だったときに開発されたワクチンを『みんなが』受けるべきだと言い出した」という。

ただ現在も、共和党支持者やトランプ信奉者の多くがワクチン接種への懸念や反発を持っているようだ。米マンモス大学の調査によれば、共和党員の5分の2以上がワクチンを接種しないつもりだと答えたという。バイデンはワクチンが政治的な争点にならないよう心掛けているが、その試みはうまくいっていない。

「多くのアメリカ人がワクチン接種の列に並び、ワクチンに懐疑的な人は減りつつある。だが、強硬に接種を拒む人たちの意見は変わっていない」と、マンモス大学で調査を担当したパトリック・マレーは言う。なお民主党支持者の3分の2は、すでに少なくとも1回はワクチン接種を受けているという。

イバンカのツイートに対しては、反ワクチン派の共和党支持者らから批判的なコメントが寄せられた。政治的にも社会的にも「仲間」が減っていく焦りのせいか、彼女の行動は裏切りと見られてしまったようだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米ウクライナ首脳、日本時間29日未明に会談 和平巡

ワールド

訂正-カナダ首相、対ウクライナ25億加ドル追加支援

ワールド

ナイジェリア空爆、クリスマスの実行指示とトランプ氏

ビジネス

中国工業部門利益、1年ぶり大幅減 11月13.1%
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 3
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌や電池の検査、石油探索、セキュリティゲートなど応用範囲は広大
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 6
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 7
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 8
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 9
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中