最新記事

米中対立

米中外交トップ会談が終了 双方ともに「厳しく率直な協議に」

2021年3月20日(土)11時13分

米中両国はアラスカ州で開かれた2日間の高官協議を終了した。米国は「厳しく率直な」会談だったとしたが、バイデン政権下で初の米中会談は2経済大国の緊張の激しさを露呈した。写真は同日、アラスカ州アンカレッジで記者団と懇談するブリンケン国務長官とサリバン大統領補佐官(2021年 ロイター/ Frederic J. Brown)

米中両国は19日、アラスカ州で開かれた2日間の高官協議を終了した。米国は「厳しく率直な」会談だったとしたが、バイデン政権下で初の米中会談は2経済大国の緊張の激しさを露呈した。

初日の会談は、冒頭から報道陣の前で激しい非難の応酬が繰り広げられる異例の展開となり、米国が断固とした対応を取る姿勢を示した一方、中国側は妥協するという幻想を捨てるよう警告した。

サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は会談終了後、「幅広い問題について厳しく率直な話し合いを行うことを期待していたが、まさにその通りになった」と記者団に語った。

ブリンケン国務長官は、中国が「防衛的な反応」をしたことに驚きはないと発言。長官は前日の会談で、新疆ウイグル自治区、チベット、香港における中国の人権侵害のほか、サイバー攻撃、台湾への圧力に対する懸念を表明する一方、イラン、北朝鮮、気候変動など協力できる分野もあると述べた。

長官は「経済、貿易、技術については、議会や同盟国、パートナーと緊密に協議しながらこうした問題を見直しており、労働者や企業の利益を完全に守り、前進させる方法で進めることを中国に伝えた」と明かした。

中国の外交トップ、楊潔チ・共産党政治局員は2日間の会談について、率直かつ建設的で実りあるものだったとする一方、「もちろん食い違いも残っている」と述べた。

中国国際テレビ(CGTN)は、楊氏が「健全で安定的な方向に今後を導くため、双方が『対立しない』という方針に沿うべきだ」と述べたとツイッターに投稿した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・オーストラリアの島を買って住民の立ち入りを禁じた中国企業に怨嗟の声
・反日デモへつながった尖閣沖事件から10年 「特攻漁船」船長の意外すぎる末路



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

日本、米ボーイング機100機購入や米産コメ輸入増で

ワールド

トランプ氏、FRBに3%利下げ要求 パウエル議長「

ビジネス

FRB議長後任指名を急がず、大統領が決定 ベセント

ワールド

関税交渉、合意見通し7月中旬に日本へ伝達 投融資の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:山に挑む
特集:山に挑む
2025年7月29日号(7/23発売)

野外のロッククライミングから屋内のボルダリングまで、心と身体に健康をもたらすクライミングが世界的に大ブーム

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    参院選が引き起こした3つの重たい事実
  • 2
    中国企業が米水源地そばの土地を取得...飲料水と国家安全保障に潜むリスクとは
  • 3
    「カロリーを減らせば痩せる」は間違いだった...減量のカギは「ホルモン反応」にある
  • 4
    中国経済「危機」の深層...給与24%カットの国有企業…
  • 5
    レタスの葉に「密集した無数の球体」が...「いつもの…
  • 6
    アメリカで牛肉価格が12%高騰――供給不足に加え、輸入…
  • 7
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 8
    三峡ダム以来の野心的事業...中国、チベットで世界最…
  • 9
    「なんだこれ...」夢遊病の女性が寝起きに握りしめて…
  • 10
    「死ぬほど怖かった...」高齢母の「大きな叫び声」を…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 4
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 5
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 6
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 7
    「マシンに甘えた筋肉は使えない」...背中の筋肉細胞…
  • 8
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウ…
  • 9
    「カロリーを減らせば痩せる」は間違いだった...減量…
  • 10
    約558億円で「過去の自分」を取り戻す...テイラー・…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 7
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 8
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 9
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 10
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中