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ポピュリズム

トランプの敗北が世界的に見て「異例」だった理由

RARE DEFEAT FOR AUTOCRATS

2021年2月18日(木)06時30分
ハビエル・コラレス(米アマースト大学教授、政治学者)

選挙を利用して権力を握ったトランプが、自由な選挙を完全に否定することはできなかった。そして民主党は、その機会を最大限に利用した。

新しい有権者(若者)や無関心層に積極的に働き掛け、前回はトランプに投票したけれど心変わりした共和党穏健派(主として郊外在住の女性有権者)を取り込んだ。新型コロナウイルスへの感染予防で、期日前投票や郵便投票を促しもした。

結果として、これが効いた。投票後の出口調査によれば、これまで以上に多くの新規有権者や穏健派が民主党に投票したし、前回はトランプを支持した有権者の多い郊外でも得票率を約4.6ポイントも伸ばした。

しかし、民主党の勝利が完全なものでなかったことも忘れてはならない。トランプ主義とその支持者は今も残っている。

むろん、予想できたことではある。ひとたび権力の味を占めた独善的ポピュリズムは、そう簡単には衰退しない。彼らは強力な反政府勢力として残り、次なるチャンスをうかがい、選挙を「盗んだ」連中を倒せと叫び続ける。

だから民主党は、優れた統治とクリーンな政府、そして国民の経済的ニーズへの対処だけでトランプ流ポピュリズムに対抗できると考えてはいけない。この勝利を維持したいなら、常に選挙を意識し、多数派を形成することだ。多様なチームを受け入れ、身内の過激な意見にブレーキをかけることだ。

言うまでもないが、有権者の票も党の団結も座して手に入るものではない。次の選挙でも手に入れたいなら、肝に銘じるべきだ。独りでは勝てないのだと。

From Foreign Policy Magazine

<2021年2月23日号「ポピュリズム2.0」特集より>

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