最新記事

ミャンマー

【解説】ミャンマー・クーデター 国軍とスーチー、対立の背景

2021年2月2日(火)16時18分

選挙戦を戦った90以上の政党のうち、少なくとも17党が主に軽微な不備があったと不満を訴えている。USDP以外はすべて弱小政党。選挙の監視責任者らは、投票に大きな不備は無かったとしている。

同委員会は今年1月28日、不正に相当するほどの規模の、あるいは選挙結果が覆るほどの規模の不備はなかったと表明した。

国軍の主張は

国軍のゾー・ミン・トゥン報道官は先週、選挙不正を訴える記者会見を開いた。報道官は、軍が「行動を起こす」だろうと述べ、最高裁を含むあらゆる選択肢を行使するとした。軍が新政権や新議会と協力するかとの質問に対しては、「静観する」と述べていた。

クーデターの可能性を排除するか、との質問には「そうは言えない」と答えていた。

国軍は1月30日、憲法を順守し、法に従って行動すると表明していた。

憲法の規定は

憲法は、「結束の崩壊、国家団結の崩壊、国家主権の喪失」を招きかねない極端な状況に限って総司令官が政権を掌握すると規定。あくまでも緊急事態中に限った措置と規定。緊急事態を宣言できるのは文民の大統領だけと定めている。

国軍のミン・アウン・フライン総司令官は先週、軍のメンバーに対し、憲法たるものは「すべての法律の母なる法」であり、順守されないなら無効とすべきだと述べて関心を集めた。フライン氏はミャンマーでそうした事態が起こった過去の事例を挙げていた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・スー・チー拘束でも国際社会がミャンマー政変を「クーデター」と認めたくない理由
・反日デモへつながった尖閣沖事件から10年 「特攻漁船」船長の意外すぎる末路
→→→【2021年最新 証券会社ランキング】



ニューズウィーク日本版 2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年10月7日号(9月30日発売)は「2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡」特集。投手復帰のシーズンも地区Vでプレーオフへ。アメリカが見た二刀流の復活劇

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

自民新総裁きょう選出、国会議員の投票始まる 夕方ま

ビジネス

焦点:韓国中古車輸出が急成長、ロシアや中東向け好調

ワールド

イスラエル、ガザ和平案第一段階の「即時実行」準備

ビジネス

米国株式市場=ダウ・S&P最高値更新、ハイテク下げ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
2025年10月 7日号(9/30発売)

投手復帰のシーズンもプレーオフに進出。二刀流の復活劇をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最悪」の下落リスク
  • 3
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、Appleはなぜ「未来の素材」の使用をやめたのか?
  • 4
    MITの地球化学者の研究により「地球初の動物」が判明…
  • 5
    謎のドローン編隊がドイツの重要施設を偵察か──NATO…
  • 6
    「吐き気がする...」ニコラス・ケイジ主演、キリスト…
  • 7
    「テレビには映らない」大谷翔平――番記者だけが知る…
  • 8
    墓場に現れる「青い火の玉」正体が遂に判明...「鬼火…
  • 9
    【クイズ】1位はアメリカ...世界で2番目に「航空機・…
  • 10
    「人類の起源」の定説が覆る大発見...100万年前の頭…
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 3
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最悪」の下落リスク
  • 4
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 5
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び…
  • 6
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけでは…
  • 7
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国…
  • 9
    虫刺されに見える? 足首の「謎の灰色の傷」の中から…
  • 10
    高校アメフトの試合中に「あまりに悪質なプレー」...…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 9
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中