最新記事

アメリカ政治

全米製造業協会、トランプの即時免職の検討を政権幹部に要請

2021年1月7日(木)10時49分

米国でトランプ大統領の支持者が議会に侵入し占拠したことを受け、全米製造業協会(NAM)のティモンズ会長は6日、憲法修正第25条を用いてトランプ大統領の即時免職を検討するよう政権幹部に要請した。写真はワシントンで演説するトランプ大統領(2021年 ロイター/Jim Bourg)

米国でトランプ大統領の支持者が議会に侵入し占拠したことを受け、全米製造業協会(NAM)のティモンズ会長は6日、憲法修正第25条を用いてトランプ大統領の即時免職を検討するよう政権幹部に要請した。

NAMは、エクソン・モービルやファイザー、トヨタ自動車など、1万4000社の製造業者を代表する主要業界団体。

修正第25条は、大統領が職務遂行不能となった場合の職務継承について定めている。

ティモンズ会長は、トランプ大統領は「権力を保持するために暴力をあおった」と指摘。「選出された指導者の中でトランプ氏を擁護している人々は憲法への誓いを破り、無政府状態を支持して民主主義を否定している。議事堂から退避したペンス副大統領は民主主義を保つため、他の閣僚とともに修正第25条の発動を真剣に検討すべきだ」と訴えた。

トランプ大統領の在任期間はあと14日。20日にはバイデン次期大統領が就任する。

全米商工会議所のドナヒュー会頭、大企業のトップらが参加するロビー団体のビジネス・ラウンドテーブルも、円滑な政権交代に向けて首都ワシントンの早期の混乱収拾を求めた。

JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン会長兼最高経営責任者(CEO)は「われわれの選ばれた指導者たちは、暴力の終結を要請し、結果を受け入れ、われわれの民主主義が数百年行ってきたように、平和的な政権移行を支持する責任がある。今こそ私たちの並外れた団結を強化する時だ」と強調した。

トランプ氏寄りとして知られるブラックストーン・グループのスティーブ・シュワルツマンCEOも声明を発表し、「きょうの大統領の発言を受けて起きた暴動は、米国民として大切にする民主主義の価値を侮辱するひどいものだ。暴徒がわれわれの憲法を傷付けようとしていることに衝撃を受け、恐怖を感じている」と述べた。

ゼネラル・モーターズ(GM)のメアリー・バーラCEOはツイッターに「米議会議事堂における暴力は、国として私たちが何者であるかを反映していない。私たちは国として団結し、互いを結び付ける価値と理想を強化することが不可欠だ」と投稿した。

*内容を追加しました。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・1月20日、トランプは「自分の大統領就任式」に出る?
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体


ニューズウィーク日本版 台湾有事 そのとき世界は、日本は
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年8月26日号(8月19日発売)は「台湾有事 そのとき世界は、日本は」特集。中国の圧力とアメリカの「変心」に強まる台湾の危機感。東アジア最大のリスクを考える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

冷戦時代の余剰プルトニウムを原発燃料に、トランプ米

ワールド

再送-北朝鮮、韓国が軍事境界線付近で警告射撃を行っ

ビジネス

ヤゲオ、芝浦電子へのTOB価格を7130円に再引き

ワールド

インテル、米政府による10%株式取得に合意=トラン
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
2025年8月26日号(8/19発売)

中国の圧力とアメリカの「変心」に危機感。東アジア最大のリスクを考える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 2
    「このクマ、絶対爆笑してる」水槽の前に立つ女の子、ホッキョクグマが取った「まさかの行動」にSNS大爆笑
  • 3
    3本足の「親友」を優しく見守る姿が泣ける!ラブラドール2匹の深い絆
  • 4
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 5
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自…
  • 6
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 7
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 8
    一体なぜ? 66年前に死んだ「兄の遺体」が南極大陸で…
  • 9
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段…
  • 10
    海上ヴィラで撮影中、スマホが夜の海に落下...女性が…
  • 1
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 2
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 3
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人」だった...母親によるビフォーアフター画像にSNS驚愕
  • 4
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 5
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 6
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自…
  • 7
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 8
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精…
  • 9
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大…
  • 10
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中