最新記事
アメリカ政治

トランプ、追加コロナ対策・歳出法案に署名 米政府機関の閉鎖回避

2020年12月28日(月)12時16分
ロイター

関係筋によると、トランプ米大統領は27日、新型コロナウイルス追加景気対策・歳出法案に署名した。写真は今月23日、米メリーランド州アンドルーズ空軍基地で大統領専用機に乗り込む同大統領。(2020年 ロイター/Tom Brenner )

トランプ米大統領は27日、新型コロナウイルス追加景気対策・歳出法案に署名した。

これにより、失業給付の特例措置が再導入され、連邦政府機関の一部閉鎖も回避されることになった。

トランプ氏はこれまで、先週議会を通過した同法案への署名を拒否。これを受けて26日に失業給付の特例措置が失効していた。

また、トランプ氏が署名を拒否し続ければ、29日から一部の政府機関が閉鎖され、多くの政府職員の所得に影響が出る可能性もあった。

27日には民主・共和両党の議員から、トランプ氏に署名を促す声が相次いでいた。

トランプ氏がなぜ従来の方針を転換したのかは現時点で不明。

失業給付の特例措置の適用を受けていた失業者は約1400万人。トランプ氏は議会に対し、景気対策法案を修正して現金給付を1人600ドルから2000ドルに引き上げるよう要求していた。民主党は2000ドルへの引き上げを支持していたが、多くの共和党議員は同案に反対している。

ホワイトハウスは、トランプ氏の意向について口を閉ざしていたが、関係筋によると、一部の顧問は法案への署名を大統領を提言。側近の間では、トランプ氏が強硬姿勢を和らげるとの見方が一部で出ていたが、同氏がどのような行動に出るかは予測不能で、態度を変えない可能性があることも認めていたという。

トランプ氏は、フロリダ州の別荘「マール・ア・ラーゴ」でクリスマス休暇を過ごしている。27日午前の段階ではゴルフをしており、議会との対立解消を急ぐ姿勢を見せていなかった。

トランプ大統領の署名を受けて、株式市場は上昇。米S&P先物と日経平均は約0.4%値上がりした。金のスポット価格は1%近く上昇。

三井住友DSアセットマネジメントのチーフマーケットストラテジスト、市川雅浩氏は、政府機関が一部閉鎖される可能性があったことを考えると、市場にとってポジティブだと指摘。景気対策を巡る混乱が収まったとの認識を示した。

トランプ氏は「無駄な項目を削る必要があることを議会にはっきりと示す強力なメッセージ」とともに法案に署名すると表明。下院が28日に現金給付を600ドルから2000ドルに引き上げる案を採決する計画であることに触れ、上院も引き上げの承認に向けた「作業を開始するだろう」と述べた。

共和党のマコネル上院院内総務は「大統領がこの救済策に署名し、法案が成立したことに感謝する」としながらも、現金給付を引き上げる案を上院で採決する計画は示さなかった。

トランプ氏は同法案について、特別利益団体、文化事業、海外支援向けの予算が多すぎるとも批判していた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・アメリカ大統領選挙、敗残のトランプを待ち構える訴訟の山 検察による刑事捜査も
・巨大クルーズ船の密室で横行する性暴力


ニューズウィーク日本版 トランプの大誤算
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年4月14号(4月7日発売)は「トランプの大誤算」特集。国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米イラン停戦で日経5万6000円回復、原油急落しリ

ワールド

ガザ復興支援でトランプ氏の平和評議会と協力=世銀総

ワールド

米ジョージア州下院補選、トランプ氏支持の共和党フラ

ワールド

NZ中銀、政策金利2.25%に据え置き イラン情勢
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライナ軍司令官 ロシア軍「⁠春の​攻勢」は継続
  • 3
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命防衛隊と消耗戦に
  • 4
    米軍が兵器を太平洋から中東に大移動、対中抑止に空白
  • 5
    「王はいらない」800万人デモ トランプ政権への怒り…
  • 6
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 7
    【後編】BTS再始動、3年9カ月の沈黙を経て──変わる音…
  • 8
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 9
    5日間の寝たきりで髪が...ICUに入院した女性を襲っ…
  • 10
    人口減の自治体を救う「小さな浄水場」──誰もが常に…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 3
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐせ・ワースト1
  • 4
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 5
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 6
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 7
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 8
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 9
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 10
    米軍が兵器を太平洋から中東に大移動、対中抑止に空白
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 4
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 6
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中