最新記事

アメリカ政治

バイデン人事、国防長官に初の黒人 反対噴出もオースティンにこだわる理由は?

2020年12月14日(月)16時05分
エリザベス・クリスプ

オースティンの起用には法律上の問題が KEVIN LAMARQUE-REUTERS

<アメリカの法律では、退役後7年以上経ていない元軍人の就任は「違法」のはずだが......>

新政権の人事を進めるバイデン次期米大統領は12月8日、国防長官にロイド・オースティン元中央軍司令官を指名した。上院で承認されれば初の黒人国防長官の誕生となるが、退役後間もない元軍人の起用に異論も噴出している。

アメリカでは文民統制を徹底する目的で、退役後7年以上経ていない元軍人の国防長官就任が法律で禁じられており、5年前まで現役だったオースティンの就任は「違法」となる。この規定が免除された事例が過去に2度あり、トランプ政権下でのマティス国防長官の任命もその1つ。とはいえ、文民統制の原則を形骸化させかねない人事には、民主党内からも疑問視する声が上がっている。

それでもバイデンが方針を撤回することはなさそうだ。オースティンとは旧知の仲で亡き息子ボーがオースティンの下で働いたこともある。バイデンは9日の演説で「(彼が)必要と確信していなければ(規定)の適用免除を求めたりしない」と理解を求めた。

<2020年12月22日号掲載>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、イラン攻撃の成果誇示 原爆投下での戦争

ビジネス

米証取とSEC、上場企業の情報開示規則の緩和で協議

ワールド

アングル:イスラエルのネタニヤフ首相、イラン攻撃「

ワールド

米国務長官、ロシア追加制裁に慎重姿勢 「交渉の余地
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本のCEO
特集:世界が尊敬する日本のCEO
2025年7月 1日号(6/24発売)

不屈のIT投資家、観光ニッポンの牽引役、アパレルの覇者......その哲学と発想と行動力で輝く日本の経営者たち

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々と撤退へ
  • 3
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係・仕事で後悔しないために
  • 4
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 5
    都議選千代田区選挙区を制した「ユーチューバー」佐…
  • 6
    細道しか歩かない...10歳ダックスの「こだわり散歩」…
  • 7
    「子どもが花嫁にされそうに...」ディズニーランド・…
  • 8
    人口世界一のインドに迫る少子高齢化の波、学校閉鎖…
  • 9
    「温暖化だけじゃない」 スイス・ブラッテン村を破壊し…
  • 10
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 7
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 8
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 9
    「アメリカにディズニー旅行」は夢のまた夢?...ディ…
  • 10
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中