最新記事

2020米大統領選

アメリカ大統領選挙、接戦4州の結果次第 バイデン優勢、トランプは再び不正主張

2020年11月6日(金)10時20分

米大統領選の開票が5日も続く中、民主党のバイデン大統領候補がネバダ州でリードを拡大し、当選に必要な選挙人270人の獲得に迫っている。カリフォルニア州ダウニーの開票所で5日撮影(2020年 ロイター/LUCY NICHOLSON)

米大統領選は民主党候補のバイデン前副大統領が当選に必要な選挙人270人の獲得に迫る中、開票作業が続いている一握りの激戦州の結果次第の状況となっている。一方、再選を目指すトランプ大統領は選挙で不正があったと改めて主張した。

バイデン氏は接戦となっているネバダ、アリゾナ両州で小幅なリードを維持し、ペンシルベニア、ジョージア両州で追い上げをみせている。

ペンシルベニアでトランプ氏は5日午後時点の得票数でバイデン氏を7万4000票上回ったが、前日の31万9000票から差は縮小した。ジョージアでのリードは4000票を下回った。未集計の票の多くは、民主党寄りとされるアトランタやフィラデルフィアといった地域に集中している。

一方、バイデン氏はアリゾナ州でのトランプ氏に対するリードが6万5000票に縮まった。ネバダでのリードはわずか1万1000票。

主要なテレビ局はバイデン氏の選挙人獲得数が253人で、トランプ氏が214人としている。バイデン氏は前日に激戦州のウィスコンシンとミシガンを制した。

バイデン氏が勝利するには大票田のペンシルベニア州で勝利するか、ジョージア、ネバダ、アリゾナの3州のうち2州を制する必要がある。

トランプ大統領が劣勢を覆し勝利するには、ジョージアとペンシルベニアでのリードを維持し、ネバダ、アリゾナで巻き返して選挙人を獲得する必要がある。

ただ、これら激戦州の最終集計結果が出るまでには数日を要する可能性がある。ペンシルベニアのブックバー州務長官は5日、開票状況について約35万票が未集計だが、その大半が6日までに開票できる見込みだと述べた。

ジョージア州の選挙管理当局者によると、4万7000票以上が未処理となっている。アリゾナでは少なくとも40万票、ネバダでは19万票の集計が終わっていない。

一方、トランプ氏は5日、証拠を示さず、「合法」な票を集計すれば、自身が大統領選で勝利すると述べ、バイデン氏に対する敗北を認める意向がないことをうかがわせた。票の集計が続いていることは選挙に不正があり、票が盗まれていることを示していると不満をもらした。[nT9N28Q02C]

トランプ陣営は法廷闘争に動き、これまでに複数州で集計の停止や再集計を要求。さらにネバダ州でこの日、不正投票に関する訴訟を起こした。法律専門家らは、トランプ陣営による一連の訴訟が最終的に選挙結果に影響する公算は小さいとの見方を示している。

ミシガン州の裁判所はこの日、トランプ陣営による集計停止を求める訴えを退けた。ジョージア州でもトランプ陣営による期限後に届いた投票用紙の排除を求めた訴えが棄却された。[nL4N2HR0NU]

ペンシルベニア州の高裁は5日、トランプ陣営が同州フィラデルフィアで行う集計作業の監視をさらに拡大することを認めた。

バイデン氏は地元のデラウェア州で同日午後、あらためて有権者に辛抱強く待つよう呼びかけ、全ての票の集計を求めた。

「集計が終わり次第、(副大統領候補の)ハリス上院議員と私が勝者に確定すると確信している」と述べ、「全ての人に平静を保つよう呼びかける。選挙プロセスは機能しており、集計は終わりつつある。近く判明するだろう」とした。

バイデン氏は全米の得票数でトランプ氏を380万票余り上回っている。

トランプ大統領は先に、大統領選から2日後も開票が続いていることにいら立ちを示し「集計をストップしろ」とツイッターに投稿した。

さらに「大統領選挙後に到着したいかなる票も集計されない」とも主張。ツイッターは、この投稿に警告ラベルを表示した。

*内容を追加しました。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



グラフィック アメリカ大統領選挙開票状況


 

【話題の記事】
・中国はトランプ再選を願っている
・巨大クルーズ船の密室で横行する性暴力


ニューズウィーク日本版 ISSUES 2026
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月30日/2026年1月6号(12月23日発売)は「ISSUES 2026」特集。トランプの黄昏/中国AIに限界/米なきアジア安全保障/核使用の現実味/米ドルの賞味期限/WHO’S NEXT…2026年の世界を読む恒例の人気特集です

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、ナイジェリアでイスラム過激派空爆 「キリスト教

ワールド

政府、26年度予算案を閣議決定 過去最大122兆円

ビジネス

都区部CPI、12月は+2.3%に大幅鈍化 エネル

ビジネス

鉱工業生産11月は2.6%低下、自動車・リチウム電
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 4
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 5
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 6
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 7
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 8
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 5
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 6
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 7
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 10
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 8
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中