最新記事

アメリカ政治

トランプ、大統領執務室に復帰し動画投稿「コロナ治療薬を米国民に無料提供」

2020年10月8日(木)10時25分

米ホワイトハウス専属医のショーン・コンリー氏は7日、過去24時間、トランプ大統領に新型コロナウイルス感染症の症状は確認されておらず、容体は安定していると述べた。オハイオ州クリーブランドで9月撮影(2020年 ロイター/CARLOS BARRIA)

トランプ米大統領は7日、ツイッターに投稿した動画メッセージで、新型コロナウイルスに感染して治療薬の効果を自ら経験できたのは「神の恵み」だったと強調し、米国民に無料で治療薬を提供する考えを示した。

トランプ氏はコロナから回復し、体調は素晴らしいと繰り返し述べた上で、「私が感染したのは神の恵みだったと思う。そうは見えないが恵みだった」とし、米リジェネロン・ファーマシューティカルズの治療薬投与後、効果が即座に現れたと語った。

米イーライリリーのコロナ治療薬にも言及した。

「あなた方にも私が受けた治療を提供したい。無料でそうするつもりだ」と語った。

トランプ氏がコロナ検査で引き続き陽性反応が出ているかどうかは不明。

トランプ氏はこの日、退院後初めてホワイトハウスの大統領執務室に戻り、景気刺激策を巡る協議やハリケーン「デルタ」について説明を受けた。

当局者によると、トランプ氏がホワイトハウスのスタッフなどを感染させるリスクを回避するため、廊下は通らずに庭園ローズガーデンから大統領執務室に入ったと明らかにした。トランプ氏は5日夜にワシントン郊外の米軍医療施設を退院後、ホワイトハウスの居住棟で治療を受けてきた。

トランプ氏に説明を行ったメドウズ大統領首席補佐官は防護具を着用したという。

トランプ氏は説明を受けた直後にツイッターに「ハリケーンデルタについて説明を受けたばかりで、テキサス州のアボット知事とルイジアナ州のエドワーズ知事と話した」と投稿した。

ホワイトハウス専属医のショーン・コンリー氏は声明で、過去24時間、トランプ大統領に新型コロナウイルス感染症の症状は確認されていないと説明。過去4日以上発熱しておらず、入院以降に酸素吸入も受けていないとした。

身体検査の結果や血圧、心拍数、呼吸は「全て安定的で正常範囲内」にあるとした。

一方、米大統領選まで30日を切る中、トランプ大統領が選挙活動や大統領職務の再開を待ち切れずにいると、トランプ氏の側近らが7日明らかにした。

側近らによると、支持率でトランプ大統領をリードしている民主党の大統領候補バイデン前副大統領に攻勢をかけるために、国民にメッセージを伝える方法を模索してきた。動画メッセージを投稿したのもこのためだとみられる。

8日には高齢の有権者向け演説を行うことも検討されているという。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

養命酒、非公開化巡る米KKRへの優先交渉権失効 筆

ビジネス

アングル:米株市場は「個人投資家の黄金時代」に、資

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダック小幅続落、メタが高

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、156円台前半 FRB政策
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 5
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 6
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 7
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 8
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 9
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 10
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中