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史上最長2799日、政治遺産なき安倍政権 自民内ではポスト安倍に思惑交錯

2020年8月24日(月)11時36分

コロナと東京五輪

任期前の早期退陣説に拍車をかけているのが、安倍首相の健康不安だ。17日に東京・信濃町の慶応義塾大学病院で日帰り検診を受けたことで、首相の体調への懸念が一気に広がった。

25日に予定されていた自民党の役員会がキャンセルされことや、首相の在任最長記録を受けて予定されていた27日の祝賀会が中止となったことも憶測を広げた。自民党幹部は、歴代最長政権の達成感から「辞任を検討してもおかしくない」と語る。

任期中に目指している東京五輪の開催も、コロナ感染の第2波が本格化する中では見通しにくい状況だ。

立教大社会学部の砂川浩慶教授は、コロナや延期された東京五輪など「現政権の負の遺産を処理した上で安倍首相が任期満了で退陣し、石破茂元幹事長や岸田文雄政調会長など新首相のもとで来年解散するのが自民党としてはベストだろう」と言う。だが、「首相の体調が本当に悪いのであれば、麻生(太郎)副総理などが暫定的に首相に就く可能性がある」とみる。

暫定首相を選ぶシナリオであれば、自民党内では麻生氏のほか、岸田政調会長、菅義偉官房長官らの名前が挙がっている。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

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