最新記事

ウクライナ機撃墜

撃墜されたウクライナ機、被弾後も操縦士は「19秒間」生きていた

Ukrainian Flight Recordings Reveal Passengers Alive After First Missile Hit

2020年8月24日(月)15時35分
スー・キム

ブラックボックスは国際調査チームの手で解析するため、6月にパリに送られた。

解析には撃墜による犠牲者の出身国(アメリカ、ウクライナ、フランス、カナダ、イギリス、スウェーデン)の関係者も参加したと、イラン航空当局は明らかにしている。

航空当局の責任者は「データの取り出しはあくまでも安全と類似の事件の防止を目的に行われた」と述べるとともに、「このプロセスのいかなる政治的利用」もすべきではないと牽制した。

またAP通信によれば、この責任者はイランの空域について「(外国の航空機を)受け入れる準備が整っており安全だ」と主張したという。

イランでは新型コロナウイルスの大規模な流行が起き、ジョンズ・ホプキンス大学のデータによれば死者数は2万人を超え、中東で最多、全世界でも第10位となっている。

コロナ禍においてもアメリカからの経済制裁は続いており、イラン外務省の報道官は4月、これを「医療テロ」だと非難した。

報道官はトランプ政権が「経済・医療テロによりイラン国民の健康を危険にさらして」おり、「人道に対する罪を犯している」と述べた。

これに対しトランプ政権は、医療機器は制裁の例外扱いとなっているとして、報道官の発言を一蹴している。

8月19日、ドナルド・トランプ米大統領は、2015年のイラン核合意で解除された対イラン国連制裁の復活に向けた手続きに入ったと明らかにした。ちなみにアメリカは2018年に核合意から離脱している。

(翻訳:村井裕美)

【話題の記事】
動物から人にうつる未知のウイルスの出現を止められない訳
科学者数百人「新型コロナは空気感染も」 WHOに対策求める
中国のスーパースプレッダー、エレベーターに一度乗っただけで71人が2次感染
傲慢な中国は世界の嫌われ者

20200901issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年9月1日号(8月25日発売)は「コロナと脱グローバル化 11の予測」特集。人と物の往来が止まり、このまま世界は閉じるのか――。11人の識者が占うグローバリズムの未来。デービッド・アトキンソン/細谷雄一/ウィリアム・ジェーンウェイ/河野真太郎...他

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

EU加盟国、米国との貿易合意に緊急輸入制限措置の導

ワールド

米商務省、対米投資の決定権要求もスイスが拒否 貿易

ワールド

片山財務相や小池都知事、「砂漠のダボス会議」で日本

ビジネス

利上げの是非、12月の決定会合で「適切に判断」=植
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業界を様変わりさせたのは生成AIブームの大波
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    メーガン妃の写真が「ダイアナ妃のコスプレ」だと批判殺到...「悪意あるパクリ」か「言いがかり」か
  • 4
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 5
    「世界で最も平等な国」ノルウェーを支える「富裕税…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    コンセントが足りない!...パナソニックが「四隅配置…
  • 8
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 9
    中国の「かんしゃく外交」に日本は屈するな──冷静に…
  • 10
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 4
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 5
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中