最新記事

韓国

韓国、防疫強化期間を延長 文在寅大統領や閣僚は給与30%を返納し失業対策に

2020年6月16日(火)18時01分
佐々木和義

一方、失業には含まれないが、観光関連業や製造業など、無給休暇の導入が相次いでいる。ソウル市内の免税店に入居するブランドショップの日本語担当は、週に1日だけ出勤し、あとの6日は無給休暇で、収入が大きく落ち込んだと話している。

中小事業者の実店舗での買物、飲食できる支援金カード

そこで、韓国政府は中小事業者向け支援策を導入する。5月11日から6月18日まで緊急災難支援金を支給するが、生活者支援と同時に中小事業者支援にも活用する。支援金の支給対象は国民と永住者および配偶者ビザで居住する外国人で、世帯人数により1世帯40万から100万ウォンをカードで支給する。

支援金カードはクレジットカードに対応する中小事業者の実店舗での買物や飲食代金の支払いに利用できるが、百貨店や大手スーパーなど大手事業者の実店舗やインターネット通販では使用できない。使用期限の8月18日を過ぎると支援金残高は消滅する。

韓国貿易協会は、貨物輸送に支障が出ている中小企業を支援するため特別機を運航した。初回の4月はインドネシアのジャカルタと中国・重慶に向けて運航し、2回目は日本の成田とドイツ・フランクフルトに向かう貨物を輸送した。成田便は化粧品や産業用ロボット、布マスクなど10社の貨物17トンを輸送、フランクフルト便は医療用防護服や自動車部品、電子部品など12社の貨物23トンを輸送した。

中小ベンチャー企業部は、6月26日から7月12日まで内需の活性を目的とする「大韓民国同行セール」を実施すると発表した。小規模商店や伝統的市場のほか、インターネット通販、メーカーなどが参加する大規模セールで、最大87%割引を計画する事業者もある。被害が大きい大邱や慶尚道、ソウルなどでは対面販売イベントも実施し、7月にはK-POPのオンライン公演を予定する。

文在寅大統領や閣僚は給与30%を返納、失業対策に

政府は3月の閣議で、4か月間、文在寅大統領や丁世均首相、各官庁の長官や次官級公務員の給与30%を返納する方針を決めている。

青瓦台(大統領府)の姜珉碩(カン・ミンソク)報道官は会見で、大統領や閣僚の給与の返納金を失業対策に使用すると明らかにした。政府は3月の閣議で、4か月間、文在寅大統領や丁世均首相、各官庁の長官や次官級公務員の給与30%を返納する方針を決めたが、返納金の推定額約18億ウォンは雇用保険対象外のフリランサー支援に使われる見通しだ。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

優良信用スコア持つ米消費者、債務返済に遅れ=バンテ

ビジネス

メルセデス・ベンツ年金信託、保有する日産自株3.8

ワールド

イスラエルがガザの病院攻撃、20人死亡 ロイター契

ワールド

インドの格付け「BBB-」維持、高債務と米関税リス
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
2025年8月26日号(8/19発売)

中国の圧力とアメリカの「変心」に危機感。東アジア最大のリスクを考える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 2
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」の正体...医師が回答した「人獣共通感染症」とは
  • 3
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密着させ...」 女性客が投稿した写真に批判殺到
  • 4
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 5
    顔面が「異様な突起」に覆われたリス...「触手の生え…
  • 6
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 7
    【写真特集】「世界最大の湖」カスピ海が縮んでいく…
  • 8
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 9
    アメリカの農地に「中国のソーラーパネルは要らない…
  • 10
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自…
  • 1
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 2
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 3
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人」だった...母親によるビフォーアフター画像にSNS驚愕
  • 4
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 5
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自…
  • 6
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 7
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 8
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精…
  • 9
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 10
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中