最新記事

感染症対策

英米メディアが絶賛、ニュージーランドが新型コロナウイルスを抑え込んでいる理由とは

2020年4月13日(月)15時30分
松丸さとみ

テレビ・メッセージでアーダーン首相は、「厳しく、迅速に」措置を取ると同国の戦略を説明。しかし同時に同首相は終始笑顔で語りかけ、メッセージの最後には「どうか、強くいてください。思いやりをもってください。そしてみんなで一つになってCOVID-19に対抗しましょう」と国民に訴えた。

CNNは、オークランド大学のスージー・ワイルズ准教授の談話を紹介した。英国出身の同准教授は、ボリス・ジョンソン英首相が国民に対し「愛する人を失うことになる家族が今後増えるだろう」と発言したことに触れ、アーダーン首相の場合、経済だけでなく人命も大切にしていることがはっきりと伝わってきた、とCNNに話したという。

アーダーン首相はこれまで、新型コロナウイルスに対する政府の戦略について、声明文、記者会見、インタビュー、SNSなどを通じて国民に説明し、理解を求めてきた。英インディペンデント紙によると、その際には一貫して、はっきりと分かりやすいシンプルな言葉を使い、常に落ち着いて信頼感を保ちつつ、フレンドリーな伝え方をしてきたという。

インディペンデント紙は同首相のこうした手法を、「危機時におけるコミュニケーションのお手本」だと評価する。同紙はまた、新型コロナウイルスへの対応により、アーダーン首相の支持率が非常に高いことにも触れている。

ロックダウン解除後も長い闘いを予測

ニュージーランドでは、3月24日に緊急事態宣言が発令され、翌25日に警戒レベルが最も高い「レベル4」に引き上げられた。これを受け、25日に4週間の「ロックダウン」に入っており、4月22日まで外出制限は続く見通しだ。

こうした成果もあってか、4月9日の時点では、新たな感染者数が5日連続で減少。回復した人の数も新感染者数を上回っていた。この時点では死亡者数も1人だった。アーダーン首相は同日の記者会見で、ロックダウンを緩める予定はないとしながらも、「危機は脱しつつある」と述べた。

ところがその後4人が亡くなり(13日時点)、新たな感染者数も増減を繰り返している。そのため、まだ予断を許さない状態ではある。しかしこのまま、感染者数が増加傾向に再び転じなければ、4月22日には予定通り警戒レベルが3に戻され、ロックダウンが解除されると見られている。

ニュージーランド国営ラジオRNZによると、ロックダウン後の生活については、数日のうちに概要が発表されるとみられているが、詳細は22日の直前になる見通しだ。アーダーン首相は、コロナウイルスとの闘いを「マラソン」と表現し、長くなるとの考えを示しているという。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米ウォルマート、時価総額が初の1兆ドル突破

ワールド

ディズニー新CEOにダマロ氏、テーマパークトップ 

ビジネス

これまでの米利下げ、雇用の健全性に寄与=リッチモン

ビジネス

ミランFRB理事「年内1%超の利下げ望む」、現行策
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗り物から「勝手に退出」する客の映像にSNS批判殺到
  • 3
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れるアメリカ」に向き合う「日本の戦略」とは?
  • 4
    地球の近くで「第2の地球」が発見されたかも! その…
  • 5
    トランプ不信から中国に接近した欧州外交の誤算
  • 6
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 7
    最長45日も潜伏か...世界が警戒する「ニパウイルス」…
  • 8
    ICE射殺事件で見えたトランプ政権の「ほころび」――ア…
  • 9
    少子高齢化は国防の危機──社会保障を切り捨てるロシ…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 3
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 4
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 5
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 6
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 7
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 8
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 9
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 10
    パキスタン戦闘機「JF17」に輸出交渉が相次ぐ? 200…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中