最新記事

韓国

集団感染に警戒する韓国 日系企業駐在員は帰国もままならず

2020年3月17日(火)18時30分
佐々木和義

危険レベル2の渡航自粛勧告は一時帰国の指標だが、NNAのアンケートで一部の駐在員が帰国した企業は3.3%、全員が一時帰国した企業は5.0%、また家族のみ一時帰国させた企業は3.3%となっている。

在宅勤務を実施している企業は通勤時やオフィスビルなど人と接触する機会が避けられるため、感染リスクは小さくなる。また、駐在員は現地法人の役員をはじめ責任ある立場の人が多く、はじめて経験する事態が進行するなか、コントロールタワーが不在になりかねない一時帰国は難しい。また3月9日以降の帰国者は2週間の自宅待機が義務付けられ、帰国しても在宅勤務に変わりはなく、様子見をしている駐在員が多いようだ。

マスク週5部制が適用されず、マスクが購入できない駐在員

一時帰国を見送る駐在員の悩みは予防対策にも及んでいる。マスク不足を受け、韓国政府はマスク週5部制を導入した。生まれ年の末尾が1、6の人は月曜日、2と7は火曜日、3と8は水曜日、4と9は木曜日、5と0は金曜日に指定販売所で健康保険の加入を証明する書類を提示し、マスクを購入できる。

韓国企業に勤務する外国人は健康保険への加入が義務づけられるが、駐在員や留学生など長期海外旅行保険に加入している外国人は健康保険への加入が免除されている。また韓国企業勤務者を除く外国人も外国人登録後の一定期間は健康保険に加入できない。公的健康保険に加入していない駐在員や留学生はマスクを購入できないのだ。

査証問題も浮上した。3月は異動が多い時期だが、日本政府の入国制限に対する対抗するような形で韓国政府も日本人のビザ免除を停止したことで、4月からの赴任を予定者への査証発給が停止した。後任者の赴任目処も立たず、帰任予定者は身動きが取れない状況が続いている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中ロ首脳会談、緊密な関係称賛 プーチン氏に訪中招請

ビジネス

米TI、半導体設計会社シリコン・ラボラトリーズ買収

ワールド

ガザで子ども含む21人死亡、イスラエル軍は銃撃受け

ビジネス

テスラの中国製EV販売、1月は前年比+9.3% 3
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染拡大する可能性は? 感染症の専門家の見解
  • 3
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れるアメリカ」に向き合う「日本の戦略」とは?
  • 4
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 5
    トランプ不信から中国に接近した欧州外交の誤算
  • 6
    地球の近くで「第2の地球」が発見されたかも! その…
  • 7
    最長45日も潜伏か...世界が警戒する「ニパウイルス」…
  • 8
    アジアから消えるアメリカ...中国の威圧に沈黙し、同…
  • 9
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 10
    電気代が下がらない本当の理由――「窓と給湯器」で家…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 5
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 6
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 7
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 8
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 9
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 10
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中