最新記事

感染症

新型コロナウイルス、感染状況まとめ(1月30日現在)

2020年1月30日(木)18時00分

中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎は、これまでに中国で170人が死亡、感染者は中国を中心に世界全体で7800人以上に達している。写真は北京で撮影(2020年 ロイター/Carlos Garcia Rawlins)

中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎は、これまでに中国で170人が死亡、感染者は中国を中心に世界全体で7800人以上に達している。

新型コロナウイルスはその毒性や人から人への感染力など詳細が判明していない。中国の当局者によると、新型ウイルスの潜伏期間は1─14日で、潜伏期間に感染する可能性がある。

新型コロナウイルスについてこれまでに分かっていることは以下の通り。

*当局の発表によると、30日時点で中国国内での死者は170人で、このうち湖北省が162人。国内の感染者数は7711人。

*中国本土以外では合計104人の感染が確認されている。国・地域別の内訳はタイが14人、日本が11人、香港とシンガポールがぞれぞれ10人、台湾が8人、マカオ、オーストラリア、マレーシアが7人、米国とフランスが5人、韓国、アラブ首長国連邦(UAE)、ドイツが4人、ベトナムとカナダが2人、スリランカ、ネパール、カンボジアとフィンランドが1人。30日は、フィリピンとインド両国で初の感染事例が確認された。

*中国本土以外では死亡は報告されていない。

*これまで知られていなかったこの新型ウイルスは、昨年末に武漢市の海鮮市場で違法に取引されていた野生動物から発生したと推測されている。

*世界保健機関(WHO)は30日に緊急会合を開き、国際的な緊急事態と判断するかどうか再度協議する。前週は緊急事態宣言を見送っている。

*中国国内の一部の都市は市民に対して厳しい移動制限を発動している。

*世界中の航空会社が相次いで中国の主要都市への直行便を運休したり、便数を削減している。

*オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、インドネシア、イタリア、日本、シンガポール、韓国や米国などが武漢市から自国民を退避させるために準備しているか、あるいはすでに退避させ始めている。

*武漢市から退避した米国人195人を乗せた米政府のチャーター機が29日、カリフォルニア州ロサンゼルス近郊の空軍基地に到着。保健当局者によると、退避してきた人々には同基地内で少なくとも72時間の隔離・経過観察措置がとられる。

*29日に武漢からチャーター機で帰国した日本人のうち、3人が新型コロナウイルスに感染していることが確認された。加藤勝信厚生労働相によると、うち2人はまだ症状が出ていないという。

*中国サッカー協会は30日、新型肺炎の拡大を防ぐため、2020年シーズンの開始延期を決めたと発表した。

*南京で3月に開催予定だった陸上の世界室内選手権も、2021年まで延期される。

*米アルファベット傘下のグーグルやスウェーデンの家具大手イケアは一時的に中国国内のすべてのオフィスや店舗を閉鎖すると発表。

*専門家の間では、新型コロナウイルスは2002─2003年に感染が拡大して800人近くが死亡した重症急性呼吸器症候群(SARS)や、2012年以降に700人以上が死亡した中東呼吸器症候群(MERS)ほど毒性は強くないとの見方もある。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20200204issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年2月4日号(1月28日発売)は「私たちが日本の●●を好きな理由【中国人編】」特集。声優/和菓子職人/民宿女将/インフルエンサー/茶道家......。日本のカルチャーに惚れ込んだ中国人たちの知られざる物語から、日本と中国を見つめ直す。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米NEC委員長「利下げの余地十分」、FRBの政治介

ワールド

ウクライナ、和平計画の「修正版」を近く米国に提示へ

ビジネス

米10月求人件数、1.2万件増 経済の不透明感から

ワールド

スイス政府、米関税引き下げを誤公表 政府ウェブサイ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキング」でトップ5に入ったのはどこ?
  • 3
    中国の著名エコノミストが警告、過度の景気刺激が「財政危機」招くおそれ
  • 4
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 5
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「1匹いたら数千匹近くに...」飲もうとしたコップの…
  • 8
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    ゼレンスキー機の直後に「軍用ドローン4機」...ダブ…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中