最新記事

サイバー攻撃

ロシア軍関連のハッカー、ウクライナ企業にサイバー攻撃 米民主党バイデンの息子が勤務

2020年1月15日(水)10時25分

ロシア軍とつながりがあるハッカー集団が、米民主党のバイデン前副大統領の息子が取締役を務めていたウクライナのエネルギー会社にハッカー攻撃を仕掛けていたことが明らかになった。写真はコンピューターのキーボード。メキシコのシウダーフアレスで2017年10月撮影(2020年 ロイター/Jose Luis Gonzalez)

ロシア軍とつながりがあるハッカー集団が、米民主党のバイデン前副大統領の息子ハンター・バイデン氏が取締役を務めていたウクライナのエネルギー会社にハッカー攻撃を仕掛けていたことが明らかになった。

米サイバーセキュリティー会社エリア1セキュリティーが13日、明らかにした。

トランプ米大統領は昨年、バイデン親子の汚職疑惑を調査するようウクライナのゼレンスキー大統領に要請。これを受け米下院は「権力乱用」と「議会妨害」でトランプ氏を弾劾訴追している。

エリア1によると、ハッカー攻撃を受けたのはウクライナのエネルギー会社ブリスマ。ロシア軍の情報機関・参謀本部情報総局(GRU)とつながりがあり、「ファンシーベア」や「APT28」として知られるハッカー集団が電子メールの情報を盗もうとしたという。

米国の調査によると、このハッカー集団は2016年の米大統領選挙を混乱させるため、民主党の全国委員会にもハッカー攻撃を仕掛けている。

エリア1によると、ハッカー集団が具体的にどのような情報を探していたのかは不明。ブリスマへのハッカー攻撃でハンター・バイデン氏が送受信したメールなどを閲覧することが可能という。

盗まれた情報が外部に流出すれば、トランプ氏の弾劾裁判や今年の米大統領選に影響が出ることも考えられる。

ロシア国防省のコメントはとれていない。米国の国家安全保障局と国土安全保障省はコメントを控えている。ブリスマのコメントもとれていない。

[ワシントン ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20200121issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年1月21日号(1月15日発売)は「米イラン危機:戦争は起きるのか」特集。ソレイマニ司令官殺害で極限まで高まった米・イランの緊張。武力衝突に拡大する可能性はあるのか? 次の展開を読む。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ大統領府長官が辞任へ、汚職疑惑が理由か 

ビジネス

米株式ファンド、6週ぶり売り越し

ビジネス

独インフレ率、11月は前年比2.6%上昇 2月以来

ワールド

外為・株式先物などの取引が再開、CMEで11時間超
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 4
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 5
    「攻めの一着すぎ?」 国歌パフォーマンスの「強めコ…
  • 6
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 7
    エプスタイン事件をどうしても隠蔽したいトランプを…
  • 8
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 9
    メーガン妃の「お尻」に手を伸ばすヘンリー王子、注…
  • 10
    バイデンと同じ「戦犯」扱い...トランプの「バラ色の…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 4
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 7
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 8
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中