最新記事

トランプ弾劾

前ウクライナ米大使「根拠のない虚偽の主張に基づき解任された」 弾劾調査で証言

2019年11月16日(土)08時48分

トランプ米大統領のウクライナ疑惑を巡る弾劾調査で、マリー・ヨバノビッチ前駐ウクライナ大使は米下院委員会で公開証言を行い、トランプ大統領の個人弁護士ジュリアーニ元ニューヨーク市長から攻撃された後、5月に突然「根拠のない虚偽の主張」に基づき解任されたと述べた。写真は同日、公開証言に臨むヨバノビッチ氏(2019年 ロイター/Sarah Silbiger)

トランプ米大統領のウクライナ疑惑を巡る弾劾調査で、マリー・ヨバノビッチ前駐ウクライナ大使が15日、米下院委員会で公開証言を行った。

ヨバノビッチ氏は、トランプ大統領の個人弁護士ジュリアーニ元ニューヨーク市長から攻撃された後、5月に突然「根拠のない虚偽の主張」に基づき解任されたと述べ、先月の非公開で行った証言の内容を踏襲した。

ヨバノビッチ氏は「ジュリアーニ氏による攻撃の動機は理解できない。また、彼が私について広めていた主張に対し意見を述べることもできない」と述べた。

駐ウクライナ大使の職を解任されたことについては「私は定められた外交政策目標の達成のみを目指していた」とし、「このように外国や個人的な利益が米国の利益を損なうことができた状況を巡りいまだに理解に苦しんでいる」と述べた。

ヨバノビッチ氏の証言開始後、トランプ大統領はツイッターへの投稿で批判を展開。「ヨバノビッチ氏がポストに就いたすべての場所で状況は悪化した。彼女が働いていたソマリアはどうなったか?」と皮肉った。

弾劾調査を主導する下院情報特別委員会のアダム・シフ委員長(民主党)はヨバノビッチ氏に対し、トランプ大統領のツイートについて質問。ヨバノビッチ氏は「非常に威圧的だ」とし、「トランプ大統領が何を目的としているのかは分からないが、威嚇的な効果を発している」と応じた。

同委員会のメンバーであるエリック・スウォルウェル下院議員(民主党)は記者団に対し、トランプ氏によるツイッターでの批判について「証人による証言への威嚇、干渉は一段の妨害行為」とした上で、「自身の行為に対する罪悪感の表れだ。無実の人間はこのような行動は取らない」と語った。

来年の米大統領選に向けた民主党候補氏名を争うカマラ・ハリス上院議員もツイッターへの投稿で「証人への威嚇は犯罪」と批判した。

ワシントン 15日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20191119issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

11月19日号(11月12日発売)は「世界を操る政策集団 シンクタンク大研究」特集。政治・経済を動かすブレーンか、「頭でっかちのお飾り」か。シンクタンクの機能と実力を徹底検証し、米主要シンクタンクの人脈・金脈を明かす。地域別・分野別のシンクタンク・ランキングも。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ナワリヌイ氏殺害、プーチン氏は命じず 米当局分析=

ビジネス

アングル:最高値のビットコイン、環境負荷論争も白熱

ビジネス

決算に厳しい目、FOMCは無風か=今週の米株式市場

ビジネス

中国工業部門企業利益、1─3月は4.3%増に鈍化 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ」「ゲーム」「へのへのもへじ」

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 6

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 7

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中