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医療社会

ビッグデータは現場の使命感と正確な取り扱いから生まれる。AIや最新技術はそこから始まる。

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2019年10月3日(木)11時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ広告制作チーム

エンサイス株式会社 取締役・最高執行責任者 岩瀬滋彦氏

<本記事では、エンサイスの取締役・最高執行責任者 岩瀬滋彦氏へのインタビューをお届けする。医薬品のビッグデータを取り扱う仕組みの先駆者といえるエンサイス。そのビッグデータは、最初からビッグデータではない。現場の使命感のある活動と正確なデータの取り扱いの積み重ねがあってビッグデータになる。そこで始めてAIなどの新技術を用いたソリューションが提供できる。なぜエンサイスが注目されているのか、その根源に迫りたい。>

日本の医薬品流通ならではの環境で生きるデータ

現在の医薬品流通における課題をエンサイスがどのようにとらえ、持続可能な医療社会を実現するためにどう取り組んでいくのか。それをうかがう前に、日本の医薬品流通が世界で類を見ない独特の発展を遂げてきた事実をおさえておくことは、理解を深めるのに役立つだろう。岩瀬氏によると、海外の医薬品卸は自社で倉庫を持つだけで、配送は物流会社に委託することが多いのに対し、日本の卸は自ら病院や調剤薬局に直接配送する点が大きな違いだと説明する。

「日本の医薬品卸は、担当する医療機関や調剤薬局の数もすごく多いのですが、それぞれが自社の流通網を持ち、たとえ災害があろうとも責任をもって届けています。たとえば、患者さんが緊急で医薬品を必要としている状況であれば、最優先で届けるといった具合に、インフラとして医療機関と結びついているといえます。実際に多種多様な全ての医薬品を管理し、全ての医療機関に届けているのは全国にある医薬品卸なのです。このような使命感をもつ医薬品卸の方々の活動そのものがデータとなり、エンサイスが正確にまとめ上げ、ビッグデータとなり、それを分析することにより、いつ、どこで、どの医薬品が必要かを伝えることができます」。

医薬品卸が医療機関と密に連携していることは、情報提供の点でもメリットがあるのだという。

「製薬企業のMR(医薬情報担当者)であれば自社製品の情報提供をするのが中心になりますが、医薬品卸のMS(マーケティング・スペシャリスト)は、製薬企業各社から同じような医薬品が出ている場合でもどれがより適切かなど、第三者の立場で説明することができます。さらに周辺の医療機関の情報や、感染症の流行状況といったものまで含めて、総合的な情報提供・アドバイスを適切に行えるという点が医薬品卸の強みになっています」。

患者がより適切な医薬品を使うことができるために、医師・薬剤師をはじめとする医療従事者に情報提供活動を行うという側面から日本の医療を支える医薬品卸や製薬企業に対して、エンサイスはデータを提供している。岩瀬氏は、「全国で医薬品がどう動いているかという情報が一元管理できている。エンサイスのデータは網羅性が高く、リアルタイム性にも優れる」と自負する。

「他の業界、たとえば小売であれば各小売の中で流通の情報が止まっていて、そこから先の店舗にどう流れていくかといった情報はなかなか共有されません。医薬品は命に関わるという特殊な事情により適正な供給が重要となるため、地域に密着したデータをまとめ、提供しています」。

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