最新記事

アメリカ外交

トランプ、米政権批判のイギリス大使を非難 メイ首相に不満も

2019年7月9日(火)09時30分

トランプ米大統領は、英国のキム・ダロック駐米大使と「今後対応しない」と言明した。写真は2017年1月、ワシントンのホワイトハウスでトランプ氏(左)とメイ英首相の記者会見を聞くダロック大使(中央)(2019年 ロイター/Carlos Barria)

トランプ米大統領は8日、英国のキム・ダロック駐米大使と「今後対応しない」と言明した。同大使が英政府向けの機密メモで、トランプ政権を「機能不全」で「無能だ」と評していたと報じられたことが背景。

トランプ氏はメイ英首相のことも批判。英政府当局者らは機密メモの流出に遺憾の意を表明した。

メイ首相の報道官は記者団に対し、メモ流出について「トランプ政権と連絡を取り、容認できないとの見解を伝えた。このようなことが起きたのは遺憾だ」と述べた。

トランプ大統領はツイッターへの投稿で「私はこの大使のことを知らないが、この人物は米国内で好かれることも、良く思われることもない。われわれは今後対応しない」と述べた。

退任が決まっているメイ首相についても英国の欧州連合(EU)離脱を巡る対応を批判。「メイ氏と彼女の代表はとんでもない混乱を引き起こしてくれた。私は対処の仕方を指南したが、彼女は別の方法を選んだ」とし、「近く新首相が就任することは偉大な英国に朗報だ。先月の素晴らしい公式訪問はとても楽しかったが、私が最も感銘を受けたのはエリザベス女王だった!」と述べた。

トランプ氏のツイートから数時間後にメイ首相の報道官は、メモ流出は遺憾だとの英国の見解を改めて表明。その上で「(ダロック大使は)引き続き首相の完全な支持を得ている」と述べた。

ワシントンを訪問中のフォックス英国際貿易相はBBCラジオで、会談を予定するトランプ氏の娘イバンカ氏に謝罪すると表明した。

また、次期英首相候補のハント外相は「私は米政権についてや米政権との関係に関する大使の評価に同意しないことを明確にしている。ただ彼が率直な評価を下す権利は擁護する」と述べた。その上で、メモを漏えいした人物は「重大な結果」に直面するとした。

ブレグジット党のファラージ党首は、次期英首相候補のボリス・ジョンソン氏が首相に選出された場合、ダロック大使のような人物は「姿を消す」だろうと指摘した。ファラージ氏はトランプ氏と関係が近いが、自身が次期駐米大使になる可能性については排除。BBCラジオに対し「私はそのポストの適任者ではないと思う」と語った。

今回の機密メモ流出を巡っては調査が進められている。メイ首相の報道官は、犯罪性を示す証拠が見つかれば警察が関与するとしている。

[ワシントン 8日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 高市vs中国
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年1月27号(1月20日発売)は「高市vs中国」特集。台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ドル安ヘッジ急増、銀行の対応力試される=UBS幹部

ビジネス

キオクシアHD、太田副社長が社長に昇格へ 

ワールド

トランプ氏がイラン治安部隊・指導者への攻撃検討、デ

ワールド

韓国産業相が29日に訪米、関税引き上げ巡り協議
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 3
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大胆な犯行の一部始終を捉えた「衝撃映像」が話題に
  • 4
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 5
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 6
    パキスタン戦闘機「JF17」に輸出交渉が相次ぐ? 200…
  • 7
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 8
    人民解放軍を弱体化させてでも...習近平が軍幹部を立…
  • 9
    またTACOった...トランプのグリーンランド武力併合案…
  • 10
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 4
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 5
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 6
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 7
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 8
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 9
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 10
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 10
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中