最新記事

NBA

八村塁を指名したNBAウィザーズは2番目に希望が持てないチーム

2019年7月25日(木)16時00分
坂和敏

「人事部長不在」のなかで行われた新人指名

ウィザーズはグランフェルドの後任として、実績・知名度を兼ね備た大物の獲得を目指し、一時は「昨季の優勝チームのトロント・ラプターズのマサイ・ウジリに接触か」との報道も流れていた。しかし、このGM探しは結局うまくいかなかったようで、7月19日に暫定GMのトミー・シェパードを正式なGMにすると発表。

ESPNの看板記者の一人であるブライアン・ウィンドホーストによると、新GMのシェパードはベテランのスカウトとのことで、八村のことはそれなりに把握して指名したと思われる。ただドラフト直後には「ウィザーズは事前のワークアウトもコンタクトもなしに八村をいきなり指名していた」といった話もESPNで報じられており、このあたりにいまのウィザーズの混乱ぶりが伺えるとも感じられた。

「禍福はあざなえる縄の如し」で頑張って欲しい

故障回復が順調に進んでいないジョン・ウォールが試合に出ず、ブラッドリー・ビールもシーズン終了をまたずに来年2月のトレード締め切りまでに放出となれば、八村選手は単なる先発メンバー以上の存在、つまりチームの新しい中心選手にならざるを得なくなるだろう。

これは、その年のドラフト予想で10番代(10〜20位くらい)だった新人選手にとってはいささか荷が重い役回りかもしれない。いっぽうで、昨季のMVPであるヤニス・アンテトクンポ(ミルウォーキー・バックス)、そしてファイナルMVPのクワイ・レナード(トロントで優勝後、LAクリッパーズに移籍)がそれぞれその年の15位指名でNBA入りしていたことを考えると、八村選手本人の努力次第ではリーグ全体で一目置かれる選手となり、末永く現役を続けられる選手になることも可能かもしれない。そうは言っても、400人くらいしか枠のないところに毎年40~50人の新人が加わっては次々に淘汰されていく、何とも厳しい世界であることは確かなのだが......。

こうして、組織として不安定なチームでの選手生活をスタートすることになりそうで、八村選手にとっては当面逆境が続くかもしれないが、なんとかうまく切り抜けて、リーグを動かすスーパースターのひとりになってくれることを期待したい。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ノキア、米国で40億ドルのAI関連投資を計画

ワールド

インド中銀、追加利下げの余地「確かにある」=総裁

ワールド

トランプ米大統領、ムスリム同胞団支部のテロ指定手続

ワールド

日中、米国とそれぞれ電話首脳会談 国連に書簡も送付
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 10
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 3
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中