最新記事

朝鮮半島

トランプ3度目の米朝会談に意欲 米韓首脳会談、人道目的の制裁一部緩和も協議

2019年4月12日(金)12時22分

トランプ米大統領は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との3回目の首脳会談の開催に意欲を示した。ホワイトハウスで会談前に握手する米韓首脳(2019年 ロイター/Carlos Barria)

トランプ米大統領は11日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との3回目の首脳会談の開催に意欲を示した。一方で、この日の韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領との会談では、米政府が北朝鮮への制裁を継続する方針を確認した。

ホワイトハウスで会談した米韓首脳は、北朝鮮の非核化に向けた米朝の対話を後押しするために文大統領が南北首脳会談を近く開く可能性について協議した。

北朝鮮は制裁解除を強く求めているものの、核開発プログラムの破棄に向けた有意義な措置を講じていない。

米朝首脳は昨年6月と今年2月に会談したが、北朝鮮が核開発を断念するのと引き換えに米国が制裁を解除するとの合意に至らなかった。

トランプ大統領は「3回目の首脳会談が実現する可能性はある。それは少しずつ進むプロセスであり、急速には進まない」と述べた。

大統領は、記者団から対北朝鮮制裁の一部を緩和する準備があるかと問われると、文大統領との会談で「人道面でのこと」と韓国による食糧支援の可能性について協議したと答えた。また、米朝韓首脳会談に応じる可能性を排除しなかった。

制裁については「われわれはいつでも追加することが可能だが、現時点でそれ(追加制裁)を望んでいない」と述べた。

一方、文大統領は、合意に至らなかった第2回米朝首脳会談(ハノイ)は失敗ではなく、長い「プロセス」の一部と捉えていると発言。今回の米韓首脳会談で、北朝鮮の完全な非核化を「最終目標」とすることでトランプ大統領と合意したと述べた。

文大統領は「われわれが現在直面している重要な任務は対話の勢いを維持するとともに、第3回米朝首脳会談が近い将来に開催されるという前向きな見通しを国際社会に示すことだ」と語った。

米韓首脳会談後に韓国側が出した声明によると、文大統領はトランプ大統領に対し、金委員長との南北首脳会談開催に向けて取り組むと表明。声明は「両大統領は、朝鮮半島の和平プロセスにはトップダウンのアプローチが引き続き不可欠との考えで一致した。トランプ大統領は金委員長との対話に向けたドアは常に開いていることを強調した」としている。

ホワイトハウスは会談後の声明で、トランプ大統領は文大統領に対し、金委員長とは良好な関係にあり、対話に向けたドアは引き続き開いていると述べたと明らかにした。

韓国政府当局者によると、次の南北首脳会談のタイミングや場所については何も決まっていない。ただ、文大統領はトランプ大統領に対し、南北首脳会談の早期開催に向けて北朝鮮側に積極的に働きかける意向を伝え、トランプ大統領は北朝鮮の現在の方針についてできるだけ早く共有するよう文大統領に求めたという。

文大統領は非核化交渉にあたり、かねてから北朝鮮に譲歩する必要性を主張してきたが、米政府は北朝鮮が段階的に非核化を進めればその都度制裁を解除するアプローチを受け入れない姿勢をさらに強めているもよう。

トランプ大統領は北朝鮮との対話について「多様で詳細な合意がまとまる可能性がある。少しずつ解決することが可能だ。だが現段階で、われわれは大きな問題について話している。それとは核兵器を廃棄させる必要性だ」と語った。

[ワシントン 11日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 ジョン・レノン暗殺の真実
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月16日号(12月9日発売)は「ジョン・レノン暗殺の真実」特集。衝撃の事件から45年、暗殺犯が日本人ジャーナリストに語った「真相」 文・青木冨貴子

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米NEC委員長「利下げの余地十分」、FRBの政治介

ワールド

ウクライナ、和平計画の「修正版」を近く米国に提示へ

ビジネス

米10月求人件数、1.2万件増 経済の不透明感から

ワールド

スイス政府、米関税引き下げを誤公表 政府ウェブサイ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキング」でトップ5に入ったのはどこ?
  • 3
    中国の著名エコノミストが警告、過度の景気刺激が「財政危機」招くおそれ
  • 4
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 5
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「1匹いたら数千匹近くに...」飲もうとしたコップの…
  • 8
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    ゼレンスキー機の直後に「軍用ドローン4機」...ダブ…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中