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アメリカ経済

長引く米国の政府閉鎖、景気への悪影響が懸念されはじめた

2019年1月23日(水)17時00分
安井明彦(みずほ総合研究所欧米調査部長)

最大の懸念は、債務上限の引き上げである。米国では、今年の夏頃までに、債務上限を引き上げる必要がある。基本的には一時的な出来事である政府閉鎖に比べて、米国の債務不履行(デフォルト)にもつながり得る債務上限の問題は、経済にとって格段に深刻な課題である。実際に、債務上限の引き上げが難航した2011年には、米国債が格下げとなり、世界の株式市場に衝撃を与えている。

9月末までには、10月から始まる2020年度の予算の審議を終える必要もある。金融危機後の財政再建の名残で、2020年度の予算には厳しい歳出上限が設けられている。立法によって歳出上限を引き上げなければ、米国は「財政の崖」と呼ばれる歳出の急減に追い込まれ、景気には強い逆風となる。
 
政府閉鎖の長期化は、こうした夏以降の正念場に、米国の政治が対応しきれないリスクを意識させそうだ。格付け会社大手のフィッチは、今回の政府閉鎖が米国債の格付けに与える影響は少ないとしつつも、その長期化が政策決定における機能不全の深刻化を示唆する場合には、米国債に格下げ圧力がかかる可能性を警告している。

消費者や企業の心理まで考えれば、政府機関の閉鎖が長引いた場合の悪影響は、時間の経過に連れて加速度的に大きくなりかねない。米国では、3月末まで閉鎖が続いた場合に、第1四半期の成長率がマイナス圏に落ち込む可能性が囁かれ始めている。 

yasui-profile.jpg安井明彦
1991年富士総合研究所(現みずほ総合研究所)入社、在米日本大使館専門調査員、みずほ総合研究所ニューヨーク事務所長、同政策調査部長等を経て、2014年より現職。政策・政治を中心に、一貫して米国を担当。著書に『アメリカ選択肢なき選択』などがある。

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