最新記事

インドネシア

K-POPアイドルBLACKPINKを宗教警察が逮捕? 公演控えたインドネシアでパロディ写真が議論に

2019年1月16日(水)18時32分
大塚智彦(PanAsiaNews)

日本でも“ブルピン”の愛称で人気のBLACKPINKが宗教掲載に捕まった!? アガン・ハラハップ氏のInstagramより

<過激な衣裳で出演したCMが放送禁止となったK-POPアイドル。今度はパロディ写真がネットに登場したが──>

日本や欧米で高い人気を誇る4人組K-POPのアイドルユニットのBLACKPINKが1月19・20日とインドネシアのジャカルタでコンサートを予定しているが、4人がインドネシアの宗教警察に逮捕された様子やイスラム教徒の女性服姿に変身した写真がインターネット上の写真共有アプリ「インスタグラム」で公開され話題となっている。

いずれの写真も実際のものではなく、インドネシア人のアーティストが写真を合成・加工して作成した「パロディ」で、BLACKPINKが2018年12月にその過激でセクシーな服装からCMが放送禁止になったことを受けて作成された。

パロディ写真の作者はアガン・ハラハップ氏。自らを「写真編集加工マスター」と称し、過去にパリス・ヒルトンやジャスティン・ビーバーなどの著名人の写真を画像編集ソフト「フォトショップ」などで加工した「作品」をネットに投稿してインドネシアの司法当局から目をつけられたこともあるアーティストだ。

アガン氏が今回作成したパロディ写真は、インドネシアでも特に敬虔なイスラム教徒が多く、イスラム法が一部施行されているスマトラ島北部のアチェ州に存在する宗教警察の車にBLACKPINKのメンバーが乗せられて警察署に連行される様子の写真。

View this post on Instagram

Polemik petisi perihal kostum dan penampilan BLAKPINK di iklan salah satu merk waralaba online ternyata berbuntut panjang. Sesi latihan yang sedianya dilakukan untuk mempersiapkan konser mereka minggu depan terpaksa harus terhenti di tengah jalan karena BLACKPINK terpaksa harus dijemput oleh petugas guna memberikan keterangan. . Dalam sebuah wawancara singkat, @jennierubyjane , salah satu personel Blackpink berkata: "Aku yo kaget mas. Lagi enak mangan gorengan, ujug ujug dipethuk karo petugas..." "Bejone petugas e ganteng. Aku yo melu ae pas digowo.." Ujar @sooyaaa__ menambahkan sambil tersipu malu. . Setelah menjawab sekian banyak pertanyaan yang dilontarkan petugas, BLACKPINK akhirnya diizinkan untuk pulang. . . Bersambung . . #blackpink #blackpinkindonesia #visitindonesia2019

Agan Harahapさん(@aganharahap)がシェアした投稿 -

 

このパロディ写真には「コンサートのリハーサル中に以前のCM事件に関連して事情聴取すると呼び出された時の様子」と説明があり、メンバーの一人ジェニがジャワ語で「ゴレンガン(インドネシアの典型的なおやつである揚げ物)を食べていたら突然拘束され、ショックだった」、さらにジスの「私たちを拘束した担当者はとてもハンサムだったわ」などという架空のコメントまで書かれている。

さらにインスタグラムでは「その後釈放された4人は記者会見で拘束は遺憾である。放送禁止となったCMの件に終止符を打つために、ジャカルタでのコンサートに特別ゲストを招待した」と続き、イスラム教徒の女性が頭部を覆うヒジャブと全身が隠れる服を着用したBLACKPINKの4人と特別ゲストの女性が並ぶ写真も紹介されている。

View this post on Instagram

Manajemen BLACKPINK secara mengejutkan telah mengumumkan identitas bintang tamu yang sekiranya akan turut memeriahkan konser BLACKPINK yang sedianya akan digelar minggu depan. . Dilansir dari situs resmi kantor berita Korea di Pyongyang, perkenalan BLACKPINK dengan Mamah Dedeh diawali sewaktu mengisi acara di sebuah stasiun tv swasta yang memiliki logo mirip ikan terbang. . Sementara dalam wawancara terpisah, Jennie mengatakan bahwa, 'There's no special reason why we choose her to be featured in our concert. It's only because her name. Mamah means mother and Dedeh means sister. We feel so close to her because she can take care of us like our mother, meanwhile at the same time we can share anything with her like our sister'. . Kami berharap dengan kehadiran "Mother Sister", dapat memberikan kesejukan sekaligus bisa memberi warna baru dalam penampilan kami di Jakarta, ujar Lisa menambahkan. . Sementara untuk penampilan BLACKPINK yang bagi sebagian kalangan dianggap bisa merusak moral bangsa, pihak manajemen telah mengambil tindakan preventif guna meredakan polemik yang selama ini beredar di masyarakat. . 'Ya. Untuk konser mendatang, kami sepakat akan mengenakan busana tradisional khas Indonesia'. Ujar Jisoo menutup sesi wawancara itu seraya menyeka air matanya dengan tissue merk alfamart. . . . Bersambung . . #blackpink #blackpinkindonesia #visitindonesia2019

Agan Harahapさん(@aganharahap)がシェアした投稿 -

 

「特別ゲスト」はママ・デデさんで、インドネシアでは有名なイスラム教徒の説教師と知られる人物だ。このママ・デデさんとBLACKPINKを並べたのは、アガン氏がインドネシアの圧倒的多数を占めるイスラム教徒を意識したものと推測される。当然ながら、彼女たちのジャカルタ公演に対してこれら一連の写真が果たした宣伝効果は抜群で、一部ではBLACKPINKとのコラボではないかとの憶測も出ているほどだ。

ママ・デデさんを特別ゲストに選んだ理由について、ジェニは「特別な理由はないけれど、ママは母親であり、デデは姉妹という意味で母のように私たちを見守り、姉妹のように何でも共有できるという名前だから」と話したことになっている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

BofAのCEO、近い将来に退任せずと表明

ワールド

トランプ氏、反ファシスト運動「アンティファ」をテロ

ビジネス

家計の金融資産、6月末は2239兆円で最高更新 株

ワールド

アブダビ国営石油主導連合、豪サントスへの187億ド
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 2
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 5
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 7
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中