最新記事

アメリカ政治

早くも期日前投票が始まった米中間選挙 激戦アリゾナが脅かす民主党「上院奪還」の夢

2018年10月22日(月)13時33分

宣伝の多くには共通するテーマがある。シネマ候補は本性を隠しており、穏健派を装っているが一皮むけばリベラルだ、という批判だ。シネマ氏は「緑の党」のメンバーとして同州での政治キャリアをスタートしたが、2012年に下院議員に当選した際に、民主党の穏健派グループに参加した。

「シネマ候補は、右へ右へとシフトしようとしている」とアリゾナ州のジャン・ブルワー元州知事(共和党)は、先週フェニックスのラジオ局に語った。「それでもなお、彼女はリベラルだ」

空軍で軍用機パイロットの経験もあるマクサリー候補は、シネマ候補がピンクのチュチュを着て、イラク戦争に反対の声を上げている宣伝動画を複数アップロードしている。保守派団体「アリゾナを守ろう」が先週送付したダイレクトメール広告では、フェニックス上空にキノコ雲が描かれていた。

「マクサリー候補が追い詰められて、見苦しい行動に出ていることは明らかだ」。シネマ候補は先週、選挙イベントの後でそう語った。

共和党では、シネマ氏のイメージダウンを図る攻撃は効果があるとみており、これは選挙が終るまで続けられるだろう、と党関係者は予想する。

マクサリー陣営は強力な選挙応援者の影響力を頼みにするようになっている。かつて共和党候補として大統領選に出馬し、現在ユタ州から上院議員に立候補しているミット・ロムニー氏は12日、同陣営を応援するためアリゾナ州ギルバートの集会に姿を現した。トランプ大統領も19日、フェニックス郊外のメサで、応援イベントを開催する。

「われわれは上院の議席、そして上院での過半数を巡って、文字通りデッドヒートを繰り広げている」。マクサリー候補は聴衆に向かってそう語りかけ、シネマ氏は愛国心に欠けていると批判した。

この集会に参加していたアリゾナ州ファウンテンヒルズのティム・ブッシュネルさん(60)は、シネマ候補には投票できない、と断言する。「彼女の来歴はかなりラディカルな左派だ」

シネマ陣営では、この攻撃に耐えられると信じている。シネマ氏は共和党がまだ予備選を戦っていた序盤の段階で、選挙広告に資金を投じ、有権者に明確な印象を与えているためだ。シネマ候補は依然、選挙資金を募っており、第3・四半期には700万ドルを集めた。

シネマ氏が勝利を収めれば、彼女のような穏健派路線こそ、民主党が2020年の大統領選においてトランプ氏に勝利する最善の戦略だと主張することができるだろう。同候補が負ければ、彼女自身とともに、民主党が上院で過半数を奪回する希望も消えることになる。

(翻訳:エァクレーレン)

James Oliphant

[フェニックス(アリゾナ州) 15日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

テンセント、第4四半期は13%増収 ゲームとAIが

ビジネス

春闘に「手応え」、中小の賃上げ持続には適切な価格転

ワールド

ホルムズ海峡の新たな取り決め策定を、イラン外相が提

ワールド

イラン、クラスター弾でテルアビブ攻撃 ラリジャニ氏
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 2
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 3
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 4
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 5
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 6
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったの…
  • 7
    モジタバの最高指導者就任は国民への「最大の侮辱」.…
  • 8
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 9
    ガソリン価格はどこまで上がるのか? 専門家が語る…
  • 10
    「危険な距離まで...」豪ヘリに中国海軍ヘリが異常接…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 3
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 4
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 5
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 6
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 7
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 8
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 9
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 10
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中