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選挙混迷のブラジル大統領選 最有力候補ボルソナロ、遊説中に刺され瀕死の重傷
9月6日、ブラジル大統領選の世論調査で支持率トップを走る右派のボルソナロ下院議員(写真)が、南東部ミナスジェライス州での遊説中に腹部を刺された。搬送先の病院で緊急手術を受け、容体は安定しているという。8月撮影(2018年 ロイター/Diego Vara)
ブラジル大統領選の世論調査で支持率トップを走る右派のボルソナロ下院議員(63)が6日、南東部ミナスジェライス州での遊説中に腹部を刺され、搬送先の病院で緊急手術を受けた。
手術を担当した医師によると、ボルソナロ氏の傷は深く、容体は安定しているものの、退院までに少なくとも1週間、完全に回復するまでには2カ月かかる可能性があるという。
ブラジルの独立記念日となる7日は、政治団体が各地で集会を予定しており、6日の事件を契機に暴力が広がる可能性が懸念される。ボルソナロ氏のライバル候補らは今回の襲撃を非難するとともに、7日の選挙活動の中止を決めている。
今回の事件によって、すでに混迷しているブラジル大統領選の先行きは一段と不透明になった。
ボルソナロ氏は、対立候補の汚職疑惑が相次いで浮上する中、クリーンなイメージを前面に押し出し、汚職対策の強化と法と秩序の維持を訴えてきた。
ボルソナロ氏の連立政党は規模が小さく、選挙法に基づいて配分されるテレビやラジオの選挙放送の持ち時間がほとんどない。このため、同氏の選挙戦はソーシャルメディアや各地での遊説に頼るしかない。今回の事件で遊説に出られなくなれば、選挙戦は不利になりかねない。
連邦警察によると、事件の際、ボルソナロ氏には護衛の警官が付いており、犯人はその場で取り押さえられた。現在、事件当時の状況を調査しているという。
現地警察はロイターに対し、ボルソナロ氏を刺したアデリオ・ビスポ・デ・オリベイラ容疑者(40)の身柄を拘束しており、容疑者の男には精神疾患の症状がみられると明らかにした。
容疑者は2007─2014年まで左派政党のPSOL(社会主義と自由)に所属していた。
現地警察は、政治的な動機による犯行かどうかは不明としている。
ボルソナロ氏の息子はツイッターで、傷は肝臓と肺、腸に達していたと説明。「かなり出血し、病院に着いた時は瀕死の状態だった。今は安定したようだ」と語った。
テレビ映像によると、ボルソナロ氏は街頭で歓声を上げる支持者に囲まれ、支持者の肩に担ぎ上げられている時、男が近づき刃物で刺した。
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