最新記事

米司法

米最高裁判事候補、公聴会で暴行疑惑を否定 告発女性は「100%確信」

2018年9月28日(金)08時24分

 9月27日、米連邦最高裁判事に指名されているブレット・カバノー氏から過去に性的暴行を受けたと告発したカリフォルニア州の大学教授クリスティン・ブレイジー・フォード氏(中央)が、上院司法委員会の公聴会で証言した。代表撮影(2018年 ロイター)

米連邦最高裁判事に指名されているブレット・カバノー氏は27日、上院司法委員会の公聴会で証言し、自身に対する性的暴行疑惑を「無実だ」と否定した。

一方、同氏から過去に性的暴行を受けたと告発したカリフォルニア州の大学教授クリスティン・ブレイジー・フォード氏は、カバノー氏が暴行したことを「100%」確信していると証言した。

カバノー氏は証言で、フォード氏の告発を「断固として全面的に否定する」と述べ、「(承認)手続きから身を引くことはしない」と断言した。

民主党についても、2016年大統領選でのトランプ氏の勝利に怒りを覚える左派による「計画的かつ組織的な政治的攻撃」として非難した。

カバノー氏より先に証言したフォード氏は、カバノー氏が性的暴行をしようとしたことをどの程度確信しているかとの議員からの質問に対し、「100%」と言明した。

フォード氏の証言によると、カバノー氏は1982年にメリーランド州で行われたパーティーで、酒に酔ってフォード氏を襲い、洋服を脱がそうとしたという。フォード氏は当時15歳、カバノー氏は17歳だった。

フォード氏は、カバノー氏が「レイプしようとしていたと確信している」と証言。助けを求め叫んだが、カバノー氏に口をふさがれたとし、「それが最も怖く、後々まで私の人生に影響を及ぼした。息ができず、誤って殺されると思った」と語った。

フォード氏ら女性3人による告発に対し、トランプ大統領や一部共和党議員がカバノー氏を標的とした攻撃と批判しているが、フォード氏は「私は独立し、何も属しておらず、チェスの駒ではない」と述べた。

最高裁判事の指名は上院の承認が必要だが、定数100の上院で共和党の議席は51となっており、カバノー氏を支持するか態度を明確にしていない穏健派議員の動向が鍵を握る可能性がある。

このうちリサ・マカウスキ上院議員はロイターに対し、「フォード氏の証言は信頼できると思う」と語った。

上院司法委員会は28日に承認採決を実施する可能性があり、上院本会議での採決は来週前半にも行われる可能性がある。

ホワイトハウスの当局者は、カバノー氏の証言に対するトランプ大統領の反応は前向きとし、カバノー氏は自身の正当性を著しく高めたとの見方を示した。その上で「共和党議員には同氏を支持する正当な理由があり、反対する妥当な理由はない」と述べた。



[ワシントン 27日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 日本時代劇の挑戦
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月9日号(12月2日発売)は「日本時代劇の挑戦」特集。『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』 ……世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』/岡田准一 ロングインタビュー

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ロシアサービスPMI、11月は半年ぶり高い伸び 新

ビジネス

新発30年債利回りが3.445%に上昇、過去最高水

ワールド

トランプ氏、エヌビディアCEOを称賛 輸出規制巡る

ワールド

トランプ政権、燃費規制の大幅緩和提案 ガソリン車支
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇気」
  • 2
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国」はどこ?
  • 3
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与し、名誉ある「キーパー」に任命された日本人
  • 4
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 7
    台湾に最も近い在日米軍嘉手納基地で滑走路の迅速復…
  • 8
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 9
    トランプ王国テネシーに異変!? 下院補選で共和党が…
  • 10
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 6
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 7
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 8
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中