最新記事

アメリカ政治

トランプ、「QAnon」の陰謀論者とホワイトハウスで面会

Trump Meets Leading 'QAnon' Conspiracy Theorist

2018年8月27日(月)17時18分
トム・ポーター

トランプの選挙集会で「QAnon」のロゴに手をあてて国家を歌うトランプ支持者(8月21日) Leah Millis-REUTERS

<熱烈なトランプ支持者の集まり「QAnon」とトランプが手を結べば、陰謀論の信者がさらに増えかねない>

アメリカでは最近、陰謀論でトランプ政権を擁護する「Q」とその支持者「QAnon(Qアノン)」に注目が集まっている。かねてから、ドナルド・トランプ大統領がQAnonを取り込めば中間選挙にもQAnonが影響を与えかねないと懸念されてきたが、トランプはついにQAnon関係者と初めて面会した。それもホワイトハウスの大統領執務室で並んで撮った写真が拡散している。

<関連記事:トランプ政権を支える陰謀論「QAnon」とは何か>

この人物は、ラジオ司会者で弁護士の「ライオネル」ことマイケル・レブロン。インスタグラムで公開したトランプとの記念写真には「この深き名誉について説明するのに言葉は役に立たない」とコメントが付いていた。

There simply are no words to explicate this profound honor.

Lionelさん(@lionelmedia)がシェアした投稿 -

右がマイケル・レブロン


レブロンはユーチューブで「ライオネル・ネーション」というチャンネルを運営、QAnonの陰謀論を拡散している。ライオネル・ネーションのチャンネル登録者数は20万人超。QAnonの陰謀論には民主党の幹部が児童性的虐待の闇組織を運営していてトランプはそれを解体しようとしているとか、「ディープ・ステート」なる秘密組織の工作員がトランプを失脚させようとしているといった話が含まれる。

QAnonという呼称は、インターネット掲示板「8Chan」で、ある投稿者が「Q Anon(匿名のQ)」と名乗ったことに由来する。匿名のQは政府高官を自称し、陰謀を暴露する暗号文を残していったとされる。

政治家トランプと陰謀論の「深い関係」

俳優のロザンヌ・バーなど有名人の中にもQAnonの信奉者が現れ、陰謀論をよく流すことで知られるネットメディア「インフォウォーズ」の創設者で極右の陰謀論者のアレックス・ジョーンズもQAnonの拡散に一役買った。

ここ数カ月というもの、トランプの遊説では陰謀論を支持する人々がQAnonと書いたプラカードを掲げたりQAnonのロゴ入りTシャツを着ている姿がよく見られる。

レブロンのホワイトハウス訪問について、ニュースサイトのデイリー・ビーストが24日、最初に報じた。

ユーチューブに投稿した動画でレブロンは、自分はホワイトハウスの特別ガイドツアーに参加したと語り、もらった記念品についても説明した。

レブロンはロシアの政府系ニュースメディアRT(旧ロシア・トゥデー)の常連解説者で、トランプを擁護したり、法律的な解説を行っている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシア、日本の自衛隊統合演習に抗議 「国境近くで実

ワールド

トランプ氏、カナダとの貿易交渉再開を否定

ビジネス

情報BOX:大手証券、12月利下げを予想 FRB議

ワールド

米中エネルギー貿易「ウィンウィンの余地十分」=ライ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 5
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 6
    必要な証拠の95%を確保していたのに...中国のスパイ…
  • 7
    海に響き渡る轟音...「5000頭のアレ」が一斉に大移動…
  • 8
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 9
    【ロシア】本当に「時代遅れの兵器」か?「冷戦の亡…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中