最新記事
インバウンド

日本へマレーシア人観光客が殺到する舞台裏 リピーター増加で地方にもチャンス到来

2018年4月10日(火)18時31分
野本 響子(ジャーナリスト) ※東洋経済オンラインより転載

マレーシアで3月16日から18日にかけて行われた旅行博「マッタ・フェア」では、日本ブースの存在感が目立った(筆者撮影)

外国人観光客が増えている。日本政府観光局(JNTO)によれば、2017年は2869万1000人で、前年比に比べて19.3パーセント増加。世界の主要20市場すべてで過去最高を記録した。ここ数年、毎年大幅な伸びを示している。

しかしなぜ、ここ数年で日本全国に観光客が急激に増えたのか、疑問に思う読者も多いだろう。JNTOの資料を読むと、訪日旅行が増えた原因として、「訪日旅行のアプローチ」「訪日旅行プロモーション」という言葉が頻繁に出てくる。政府や地方自治体による、世界各国への旅行会社やマスコミへの宣伝活動だ。それが、地道に成果をあげ、現在の観光客増につながっているのだ。今回は、国や自治体、企業がどうやって海外で観光客にアピールしているのかを見ていこう。

急激な観光客増加の背景にあるのは......

かつて「海のシルクロード」と呼ばれ、貿易商人が往来したマレーシア。ASEANの一員で、シンガポール・フィリピン・タイ・インドネシア・ブルネイと国境を接する。首都クアラルンプールで年間通じてもっとも注目されるイベントの1つに、年に2回開催される旅行博がある。

「MATTA Fair(以下マッタ・フェア)」と呼ばれるこの旅行博は、一般の個人客が対象だ。最近、中間層と呼ばれるマレーシア人の多くは、1〜2週間の休暇を取得し、旅行に行くのが一般的。彼らは、こうした旅行イベントで旅行先の情報を集めたり、ツアーや航空券などを購入したりして、旅行に備える。フェアには、その入場料を払っても元がとれるくらいに安い旅行商品を各旅行会社が用意するのだ。期間は3日間。4RM(約110円)と入場有料のイベントながら、今回は約11万人を動員した。

東南アジアではこうした旅行博が一般的。同様のイベントはシンガポールやフィリピン、タイ、インドネシアなどでも盛んに行われている。そして各国の旅行博には、日本から国や地方自治体が参加し、日本観光のPRをしている。

newsweek_20180410_192100.jpg

大盛況だった日本ブース。JR各社や地方自治体が積極的に魅力をアピールするなか、熱心に質問する来場者の姿が目立った(筆者撮影)

実際にはPRは旅行博だけにとどまらない。地方自治体は日本観光の窓口を各国に置いて、地元のテレビなどで日本をPRしたり、旅行会社やメディア、SNSで力を持つインフルエンサーを訪問して営業活動をしたり、ニュースレターを配信したりという地道な努力を続けているのだ。

今回は、まずこの展示会をのぞいてみよう。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米の要請で和平協議延期、新たな協議に応じる用意=ゼ

ワールド

トランプ氏、イラン最高指導者へのモジタバ師選出に「

ワールド

対イラン作戦さらに踏み込む、成功と宣言可能も=トラ

ワールド

トランプ氏、供給確保へ一部の石油関連制裁を免除
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    ダイヤモンドのような「ふくらはぎ」を鍛える最短ルートとは?...スクワットの真実
  • 4
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 5
    「一日中見てられる...」元プロゴルファー女性の「目…
  • 6
    「巨大な水柱に飲み込まれる...」米海軍がインド洋で…
  • 7
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 8
    ホルムズ海峡封鎖、石油危機より怖い「肥料ショック」
  • 9
    なぜ脳は、日本的「美」に反応する? 欧米の美とは異…
  • 10
    プーチンに迫る9月総選挙の暗雲
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 5
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 6
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 7
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 8
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 9
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 10
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中