他の地域はもっと悪い。最近あったケースでは、屋外で用を足している最中の女性をパトロール隊が発見、それを写真に収めようとしたのを止めに入った男性が連行された。あるニュース番組は視聴者に向け、外で用を足す人の恥ずかしい姿を捉えた写真と名前の提供を呼び掛けている。この写真を全国放送で流し、「恥知らず」として知らしめるために使うのだ。

(公衆トイレ内で女性が襲われることもある)

一方でパトロール隊は使命感に燃えている。ビード県でパトロールに定期的に参加するDhanraj Nilagは、人々の羞恥心を煽ることがトイレを使うことの動機付けになると考えている。ビード県のトイレ環境が他の地域に遅れを取っていることもNilagの懸念事項だ。「この任務は完遂しなければならない」と語った。

政府が「スワッチ・バーラト」に力を入れるのには経済的理由もある。生理中の女性にとってトイレの存在は特に大切だが、女子学生はトイレ不足のせいで学校を休んでしまうという。ある報告では、インドの衛生問題に起因する経済的損失は2015年に1065億ドル規模と推測された。これはインドのGDP(国内総生産)の5.2%に匹敵する額だ。

モディ政権が発足して以来、5200万以上のトイレが設置されており、「スワッチ・バーラト」は国際社会からも支持を得た。世界銀行はこの取り組みを加速させるために15億ドルの融資を行っている。

それでも、弱い立場にある人の「人間の尊厳」を攻めるようなやり方には疑問が残る。ワシントン・ポスト紙の報道によると、ユニセフ(国連児童基金)はインド政府の「辱め作戦」から距離を置く方針を示している。

近代化を急ぐモディ政権と市民の気持ちには、まだまだ擦り合わせの余地がありそうだ。

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