最新記事

ドイツ

独メルケル与党のマニフェスト、米国を「友好国」と記述せず

2017年7月4日(火)10時20分

7月3日、ドイツのメルケル首相(写真)が率いる保守系与党連合が公表したマニフェスト(政権公約)では、米国を「友好国」とする4年前の記述が削除された。写真はベルリンで3日撮影(2017年 ロイター/Axel Schmidt)

ドイツのメルケル首相が率いる保守系与党連合が3日公表したマニフェスト(政権公約)では、米国を「友好国」とする4年前の記述が削除された。

ドイツの対米貿易黒字などに批判的なトランプ米大統領の就任によって両国間に生じたきしみが浮き彫りとなった。

キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)の2013年のマニフェストは、ドイツにとって米国は欧州域外の「最も重要な友好国」と記述。また、米国との「友好関係」をドイツの国際関係の「基礎」とし、貿易障壁の解消を通じた関係強化について説明していた。

これに対し、9月24日の総選挙に向けた最新のマニフェストには「友好国」や「友好関係」といった文言が見当たらず、代わりにドイツにとって米国は欧州域外の「最も重要な協力国(パートナー)」と記してある。CDU当局者から文言の変更についてコメントは得られていない。

米独関係を巡っては、ピュー研究所が先週公表した調査で米国について好意的な見方を持つドイツ国民は35%と、オバマ前米大統領の任期終了時の57%を大幅に下回った。

一方、CDU・CSUのマニフェストには「欧州の原動力としてのドイツとフランス」と題した部分が新たに加わり、独仏の「友好関係を再活性化する」と公約。「われわれはフランス新政府とともに、独自の通貨基金の創設などを通じてユーロ圏を一歩ずつさらに発展させる用意がある」と表明した。

[ベルリン 3日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

野村、年内あと2回の米利下げ予想 FOMC受け10

ワールド

米関税15%の履行を担保、さらなる引き下げ交渉も=

ワールド

林氏が政策公表、物価上昇緩やかにし1%程度の実質賃

ビジネス

午後3時のドルは147円前半へ上昇、米FOMC後の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 2
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 3
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 4
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 10
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中