最新記事

農業

中国発バナナラッシュ 農業基地となったラオスが得たカネと代償

2017年5月15日(月)13時29分

中国外務省の耿爽報道官は11日の定例記者会見で、ラオスの中国系バナナ農園を巡る具体的な問題は承知していないとした上で、これを「一帯一路」構想と関連づけるべきではないと述べた。

「原則的に、われわれは海外投資や事業を行う中国企業に対し、現地の法律や規則を尊重し、社会的責任を果たし、現地の環境を守るよう義務付けている」と同報道官は述べた。

ラオス農林省は、この記事についてのロイターの取材に現段階で応じていない。

中国国営メディアによると、人口650万人を抱える内陸国ラオスにおいて中国は最大の投資国であり、総額67億ドル(約7621億円)に上る760件以上の投資プロジェクトを手掛けている。

この影響が強く感じられるのは、中国資本がショッピングセンターを建設し、高級ホテルを運営する首都ビエンチャンだけではない。何十年ものあいだ目立った変化がなかった農村部にもその影響は及んでいる。

バナナラッシュ

中国人のバナナ投資家が、本国の土地不足のため、国境を越えてラオスに流れ込み始めたのは、2010年頃だったと現地の人々は記憶している。その多くが、この国で人口が最も少なく、面積も狭いボーケーオ県に向かった。

その後の数年間で、ラオスのバナナ輸出は10倍に跳ね上がり、同国にとって稼ぎ頭の輸出品となった。その大半が中国に送られている。

Kongkaewさんのようなラオ族にとって、中国系農場は、自分で土地を耕作して得るよりも多額の賃料を支払ってくれた。

モン族やカム族のような高地に住む貧しい少数民族にとって、バナナラッシュは、より良い賃金を意味した。

収穫期には、一日10ドルかその倍を手にすることができる。2015年の平均年間所得(世界銀行調べ)が1740ドルのラオスでは、相当な高給だ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ドイツ企業、海外事業をさらに悲観視 イラン戦争前=

ワールド

EXCLUSIVE-韓国年金基金がドル売却、ウォン

ワールド

イラン、イスラエルにミサイル攻撃 トランプ氏の「交

ビジネス

三井住友FG、米ジェフリーズ買収を検討=FT
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店員も「なすすべなし」の暴走モード
  • 2
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」モナコ舞踏会に見る富と慈善
  • 3
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」した──イスラエル首相
  • 4
    【クイズ】2年連続で「世界幸福度ランキング」で最下…
  • 5
    「胸元を強調しすぎ...」 米セレブ、「目のやり場に…
  • 6
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 7
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 8
    スウェーデン次期女王ヴィクトリア皇太子、陸軍訓練…
  • 9
    「買ったら高いじゃん?」アカデミー賞会場のゴミ箱…
  • 10
    「カメラの目の前」で起きた爆発の瞬間...取材中の記…
  • 1
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 2
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 9
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 10
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中