最新記事

韓国

【写真特集】鮮明に切り取る戦後ソウルの世相

2017年4月19日(水)18時30分
Photographs by HAN YOUNGSOO

『ソウル、1956-63』

<朝鮮戦争後のソウルでは、貧しさの中で人々が懸命に復興へと歩み始めていた>

貧しさの中にのぞく、人々のたくましさや前向きさ――韓国社会のそんな一面がうかがえるのが、写真家ハン・ヨンス(1933~99)が朝鮮戦争後のソウルを撮影した写真。国際写真センター主催の写真展『ハン・ヨンス ソウルの写真1956-63』(米ニュージャージー州マナ・コンテンポラリー)で展示されている作品群だ。

ハンは生前、国外ではさほど知られた存在ではなかった。だがソウルが戦争から立ち直って急激に近代化・都市化する様子を絶妙な構図とタイミングで鮮やかに切り取った作品は、今や世界的に認められている。

【参考記事】韓国の次期「左派大統領」が進む道

キュレーターで写真批評家のソン・スジョンによれば、彼は国内では商業カメラマンとして高い人気を誇った人物。同時に当時の社会情勢を伝える写真も数多く残し、「朝鮮戦争で荒廃して暗い空気が漂うソウルの『近代』の世相を切り取ったとして評価されている」と言う。

近代的ビルと古い建物が混在する街で、人々はどう暮らしていたのか。社会進出を始めた女性の立場は、どう変化していったのか。それらをリアルに伝える写真は、芸術であると同時に貴重な歴史の記録でもある。


ppseoul02.jpg

『韓国・ソウル郊外、1956-63』


ppseoul03.jpg

『ソウル、1956-63』


ppseoul04.jpg

『ソウル、1956-63』


ppseoul05.jpg

『ソウル・弘済洞、1956-63』

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米ウォルマート、8―10月期は予想上回る 通期見通

ビジネス

米9月雇用11.9万人増で底堅さ示唆、失業率4年ぶ

ビジネス

12月FOMCで利下げ見送りとの観測高まる、9月雇

ビジネス

米国株式市場・序盤=ダウ600ドル高・ナスダック2
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 4
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 5
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 6
    幻の古代都市「7つの峡谷の町」...草原の遺跡から見…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    【クイズ】中国からの融資を「最も多く」受けている…
  • 9
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中