最新記事

保護主義

G20「トランプ保護主義」懸念は緩和 キーマン不在に困惑も

2017年4月22日(土)12時46分


自由貿易は継続

トランプ氏の政策はまだ固まっていない部分が多いが、貿易戦争やインフレを招くような放漫財政といった極端なリスクは後退したようだ。

日銀の黒田東彦総裁は20日、記者団に対し、自由貿易を支える多国間の枠組みに大きな変化は起こらないとの見解を示した。

ムニューシン財務長官は同日、銀行幹部らとの会合で、米経済の成長を促す上で税制改革が引き続き優先課題だとした上で、米経済の拡大には堅固な世界経済が必要だと指摘。「米政権は外部と対話し、外部から意見を取り入れるのに前向きだ」と語り、G20などの枠組みを通じた国際協調への支持を表明した。

もっとも、リスクは残っている。米政府は20日、中国など外国製の鉄鋼輸入が国家安全保障を損なっていないか調査に着手したと発表した。その上、財務省や商務省で多くの主要ポストが空席のままだ。

ワシントンで開かれる国際通貨基金(IMF)年次総会に出席する欧州の外交官は「上級職の多くがまだ空席だ。現時点でだれが最も強い権力と影響力を持っているのか、国外の者にはさっぱり分からない」とこぼした。

(Howard Schneider and Jan Strupczewski記者)

[ワシントン 20日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英住宅売却希望価格、6月として14年ぶりの大幅下落

ワールド

インドのモディ首相、キプロス訪問 貿易回廊構想の実

ワールド

イスラエル・イラン衝突、交渉での解決が長期的に最善

ビジネス

バーゼル銀行監督委、銀行の気候変動リスク開示義務付
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 7
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 8
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 9
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 10
    構想40年「コッポラの暴走」と話題沸騰...映画『メガ…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 9
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中