最新記事

ファッション

オンからオフまで 英グレンソンの復刻ビンテージで足元を締める

2017年3月18日(土)10時00分
高橋一史 ※Pen Onlineより転載


細部まで当時を再現したマニアックな靴。

撮影:高橋一史

「グレンソン」の復刻シリーズ、「アーカイブコレクション」より、1900〜50年代までのモデル4型をご紹介します。今年10月に東京・表参道の店「レショップ」で開催されたポップアップショップの様子です。


-1900's-

pen_kirushiru_12sub02.jpg

1900年代のレースアップブーツ。

pen_kirushiru_12sub03.jpg

忠実に再現されたインソールのロゴマーク。

上のブーツは前ページの掲載モデル。今回の中でもっとも古い年代の復刻品になります。「エドワーディアン・スタイル」と呼ばれる貴族的な気品のあるドレスシューズで、高級靴として履かれていた歴史があります。内側のロゴ刻印も、レトロ好きにはたまらない意匠です。


-1930's-

pen_kirushiru_12sub04.jpg

1930年代のドレスシューズ。¥102,600

pen_kirushiru_12sub05.jpg

上のシューズの復刻ロゴ。

製造された1939年当時にグレンソンは、整形外科的に足に優しい靴が未来の靴と考えていました。インソールには快適であることを示す「Joy Step」の刻印が入れられています。アッパーの革はかなり柔らかく、靴の前部が膨らみ、トゥラインも丸みを帯びて、見るからに履き心地の良さそうなシルエット。それなのにシューレース部分の合わせがドレッシーな内羽根式(オックスフォード)というのが、実にユニークでです。

【参考記事】スタイリスト池田尚輝の目が捉えた、「コーチ」が打ち出すモダンなスタイル。


-1940's-

pen_kirushiru_12sub06.jpg

1940年代の軍用ブーツ。¥105,840

ワーク系ブーツが注目されているいま、もっとも履きたい靴の一つがミリタリーブーツでしょう。これは英国軍からの発注に応えてつくられたもので、インソールには「1944」の年号プリントが。1940年代の世界大戦時に、靴メーカーが軍需品を提供していたことが見て取れます。シボのある「グレインレザー」はタフなうえに傷ついても目立たず、実用性を重視した革素材。パンツの裾を被せれば一般的な短靴に見えますから、カジュアルにもドレスにも活用頻度の高い一足です。


-1950's-

pen_kirushiru_12sub07.jpg

再現した靴の原型。

pen_kirushiru_12sub08.jpg

1950年代は四角い爪先が特徴。¥102,600

1950年代になると、現代でトラッドシューズと呼ばれる基本デザインが確立していきます。この靴はキャップトゥのドレスシューズで、1940年代後半に初登場したもの。トゥラインも全体のシルエットもスクエアになっており、当時は最先端のファッショナブルなデザインでした。コバが極めて大きく張り出しているのも特徴で、誇張された男性的なイメージの表れといえるでしょう。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

FBIが複数の捜査官解雇、デモ隊の前でひざまずく姿

ワールド

NZは現時点パレスチナ国家承認せず、停戦の取り組み

ワールド

米国務省、コロンビア大統領のビザを取り消し 「暴力

ワールド

トランプ氏、マイクロソフトに幹部解任を要求 前政権
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
2025年9月30日号(9/24発売)

トヨタ、楽天、総合商社、虎屋......名門経営大学院が日本企業を重視する理由

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び出した父親が見つけた「犯人の正体」にSNS爆笑
  • 2
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国はどこ?
  • 3
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、Appleはなぜ「未来の素材」の使用をやめたのか?
  • 4
    琥珀に閉じ込められた「昆虫の化石」を大量発見...1…
  • 5
    高校アメフトの試合中に「あまりに悪質なプレー」...…
  • 6
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒…
  • 7
    砂糖はなぜ「コカイン」なのか?...エネルギー効率と…
  • 8
    国立西洋美術館「オルセー美術館所蔵 印象派―室内を…
  • 9
    週にたった1回の「抹茶」で入院することに...米女性…
  • 10
    「不気味すぎる...」メキシコの海で「最恐の捕食者」…
  • 1
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 2
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分かった驚きの中身
  • 3
    筋肉はマシンでは育たない...器械に頼らぬ者だけがたどり着ける「究極の筋トレ」とは?
  • 4
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...…
  • 5
    【動画あり】トランプがチャールズ英国王の目の前で…
  • 6
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 7
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び…
  • 8
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 9
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国…
  • 10
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 8
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 9
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
  • 10
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中