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オーストラリアの難民政策は「人道に対する罪」、ICCに告発

2017年2月24日(金)18時20分
レベッカ・ハミルトン(米アメリカン大学ロースクール准教授)

設立から15年間、ICCはアフリカ諸国で起きた戦争犯罪や人道犯罪ばかりを執拗に訴追したとして痛烈な批判を浴びてきた。昨年は2008年のジョージア(グルジア)紛争での戦争犯罪に関する捜査開始を決定するなど、アフリカ一辺倒だった姿勢は変わりつつある。それでもAU(アフリカ連合)は加盟国にICCからの脱退を呼びかけるなど反感は今も消えない。

【参考記事】国際刑事裁判所(ICC)を脱退するアフリカの戦犯たち

ICCがナウルとマヌス島での人道に対する罪の訴追に踏み切れば、加害者が先進国でも容赦せず、重大犯罪を起訴する姿勢を示すことができる。欧米諸国が第2次大戦後最悪の難民危機への対応に追われるなか、もし2つの島で起きている犯罪行為に目をつぶれば、オーストラリアの難民虐待を常態化させ、他の国々に悪しき前例を残してしまう。

もしICCが弱い立場の難民に対する犯罪行為の捜査にすら手を付けないなら、何のための国際法廷かと問われても仕方がない。

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