最新記事

アメリカ政治

トランプ大統領、ロシア巡るフリン氏の疑惑を以前から把握

2017年2月15日(水)10時00分

2月14日、13日に辞任したフリン前米大統領補佐官(国家安全保障担当)とロシアとの接触を巡り、トランプ大統領はフリン氏がホワイトハウスに不完全な説明をしたことを数週間前から把握していたが、その時点では辞任要求は見送った。写真は2015年12月ロシア・モスクワで行われたニュース専門局「ロシア・トゥデイ」の10周年記念イベントで、隣同士に座るフリン前米大統領補佐官(写真左)とロシア・プーチン大統領(写真右)。スプートニク提供写真(2017年 ロイター)

13日に辞任したフリン前米大統領補佐官(国家安全保障担当)とロシアとの接触を巡り、トランプ大統領はフリン氏がホワイトハウスに不完全な説明をしたことを数週間前から把握していたが、その時点では辞任要求は見送った。スパイサー大統領報道官が14日、明らかにした。

報道官によると、トランプ大統領は1月下旬、フリン氏が駐米ロシア大使との会話についてペンス副大統領に全ての事実を報告していないとの説明を受けた。

報道官は13日のフリン氏の辞任について、トランプ氏の求めに応じたものだと説明した。

その上で、フリン氏とロシア大使の会話に違法性はないとの米政権の見方を強調し、法的問題というよりも大統領の側近に対する信頼の問題だと述べた。

報道官によると、米司法省は1月26日、ホワイトハウスの法律顧問にフリン氏の説明に矛盾があることを指摘し、法律顧問は直ちにトランプ大統領に報告した。大統領は違法性があるか精査するよう指示し、問題はないとの判断が直ちに示されたため、大統領はその報告を信じた。

一部の共和党有力議員も含め、議員からはフリン氏の行為だけでなく、ホワイトハウスとロシアの関係について包括的な調査を行うべきだとの声が上がっている。

民主党議員はフリン氏の調査を強く求め、同氏とロシアの関係についてトランプ氏がどこまで知っていたか明らかにする必要があると主張している。

共和党内でもコーカー、コーニン両上院議員が情報委員会による調査を求めているが、ライアン下院議長はこの問題を巡る発言を控え、トランプ政権に説明を委ねる立場を示した。

ホワイトハウスとロシアの関係を巡る調査は、司法省か議会の協力がなければ実現は困難とみられる。

[ワシントン 14日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米・メキシコ首脳が電話会談、不法移民や国境管理を協

ワールド

パリのソルボンヌ大学でガザ抗議活動、警察が排除 キ

ビジネス

日銀が利上げなら「かなり深刻」な景気後退=元IMF

ビジネス

独CPI、4月は2.4%上昇に加速 コア・サービス
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われた、史上初の「ドッグファイト」動画を米軍が公開

  • 4

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    ナワリヌイ暗殺は「プーチンの命令ではなかった」米…

  • 10

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    「誰かが嘘をついている」――米メディアは大谷翔平の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中