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朝鮮半島

韓国、米国防長官とサード配備を確認 中国との訣別に踏み切る?

2017年2月3日(金)22時23分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部


サード配備をめぐり対立が激化? (c) YTN / Youtube


サードの年内配備を確認

一方で、サード配備に対して一貫して反対を表明している中国にも配慮し、「北朝鮮の挑発的行動がなければ、私はここ(韓国)にいる必要がない。(北朝鮮以外には)サードについて心配する国はない」と語り、あくまでサードは北朝鮮だけを念頭に置いたものだと強調した。

今回の韓国訪問でマティス長官は2日にファン・ギョアン大統領権限代行、キム・グァンジン大統領府国家安保室長、ユン・ビョンセ外交長官らと面談。トランプ新政権が朝鮮半島をめぐる安全保障政策については従来と変わらぬ同盟関係の枠組みを維持し、直面する北朝鮮の核ミサイルの脅威に結束して対応することを印象づけた。また、トランプ大統領が選挙期間中にさかんに発言した在韓駐留米軍の防衛費負担についても、今回は言及しなかったことも、同盟関係維持を優先させたものと見られている。

核戦争の"最後の審判の日"で、北朝鮮を威圧

韓国メディアがさらに今回のマティス長官の訪韓で注目したのは、その搭乗機がE-4Bナイト・ウォッチだったということだ。ボーイング747ジャンボジェットをベースに改造されたE-4Bは、核戦争発生時に地上での指揮が執れなくなった際にアメリカ大統領や国防長官が搭乗し米軍を空の上から指揮するために作られたもので、別名Doomsday Planes=最後の審判の飛行機と呼ばれている。通常、国防長官はVC-32という国防長官専用機を使うが、今回同盟国への訪問としては史上初めてE-4Bに搭乗して訪韓した。有事の際には空中から大陸間弾道ミサイル部隊(ICBM)と潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)部隊、戦略空軍などを指揮して相手に報復を加えることができるE-4Bに乗ってきたことは、北朝鮮に対する強力な威嚇の意味が込められていた。

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