最新記事

アメリカ政治

トランプ政権の黒幕で白人至上主義のバノンが大統領令で国防の中枢に

2017年1月30日(月)19時50分
ニコラス・ロフレド

 ブライトバートの頃のバノンは悪意に満ちた論調で知られ、人種差別主義者や白人ナショナリストに肩入れしすぎだと、しばしば非難を受けてきた。そんな人物が選挙の洗礼や議会の審査を受けることなく、ホワイトハウスから国防の中枢へと、絶大な権力を握るポストに上りつめていく光景を目の当たりにして、多くの人は我慢も限界だと考えている。

「白人ナショナリストを最側近の補佐官にして権力を与え続ける大統領が、だれの味方なのかは明らかだ」とある人はツイッターに投稿した。「イスラム教徒の入国禁止と同じくらい最悪。しかも(バノンの台頭は)全く別次元の問題だ。あんなイデオロギーを持つ男が今の地位についたのには身震いする」

 バノンはソーシャルメディアに関する考えを公にしていないが、メディアへの敵視はむき出しだ。先週は米紙ニューヨーク・タイムズの電話インタビューで「メディアは恥を知れ。しばらく黙っておけ」と威嚇するような発言をした。「この言葉を引用してほしい ― メディアは野党だ」

 古巣のブライトバートは、バノンをトランプ政権の「新星」として持ち上げる一方、難民などの受け入れ停止を盛り込んだ大統領令の撤回を要求した民主党のチャック・シューマー上院院内総務のことは嘲笑った。NBCニュースに出演したホワイトハウスのラインス・プリーバス大統領首席補佐官は、大統領令の権限を執拗に追及した司会のチャック・トッドに対して「自分がしゃべりすぎるから私の説明が理解できないんだ」と口撃した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

EU・仏・独が米国非難、元欧州委員らへのビザ発給禁

ワールド

ウクライナ和平の米提案をプーチン氏に説明、近く立場

ワールド

パキスタン国際航空、地元企業連合が落札 来年4月か

ビジネス

中国、外資優遇の対象拡大 先進製造業やハイテクなど
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足度100%の作品も、アジア作品が大躍進
  • 2
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者・野村泰紀に聞いた「ファンダメンタルなもの」への情熱
  • 3
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これまでで最も希望が持てる」
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 6
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 7
    ゴキブリが大量発生、カニやロブスターが減少...観測…
  • 8
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 9
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 10
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 9
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 10
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中