最新記事

ブレグジット

英メイ首相、EUの単一市場と関税同盟からの撤退表明へ

2017年1月17日(火)11時13分

1月16日、英テレグラフ紙は、メイ英首相が欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)で優先する12分野に単一市場と関税同盟からの撤退が含まれる見込みと報じた。写真は13日撮影(2017年 ロイター/Toby Melville)

 英テレグラフ紙は16日、メイ英首相が欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)交渉について17日に行う演説で、単一市場と関税同盟からの撤退を表明する見通しだと報じた。

 報道によると、離脱交渉で優先する12分野には単一市場からの撤退が含まれる。関税同盟についてはやや曖昧となる可能性があるが、英国が関税同盟の一員でなくなることは明確にする。

 首相は演説で「われわれはEU加盟国との間で新規で対等なパートナーシップを求める」と述べる見通しだ。

 さらに「加盟の一部を維持したり、準加盟国のようなかたちをとることはない。他の国々が採用しているモデルを求めることもしない。離脱にあたって加盟の一部の維持は考えない」と述べる。

 また、国境管理の権限回復をブレグジット戦略の主要テーマの一つにするとみられている。

 6月の国民投票で離脱支持派の多くは移民の流入抑制を求めて賛成票を投じたが、EU側は単一市場へのアクセスの条件として人の移動の自由の受け入れを求める姿勢を崩さない公算だ。

 メイ首相は、英国が「世界の有能な人材」を引き寄せ、欧州にとどまらず世界中の国々と関係を築く「グローバルな貿易国」となることを望むと述べる見通しだ。

 また、EUの繁栄が英国の国益だとし、「英国は今後も信頼できるパートナーであり、協力的な同盟国かつ友好国であり続ける」と表明、「できるだけ自由に取引し、持続的な友好関係を通じて全ての国がより安全となり繁栄するよう協力することを望む」と述べる見通しだ。

[ロンドン 16日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ハイテク業界団体、EUにAI法導入の停止を要求

ビジネス

京セラ、株主総会で山口会長・谷本社長らの取締役再任

ビジネス

午前の日経平均は続伸、4カ月ぶり3万9000円 半

ワールド

トルコ大統領、イスラエル・イランの恒久停戦訴え ガ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本のCEO
特集:世界が尊敬する日本のCEO
2025年7月 1日号(6/24発売)

不屈のIT投資家、観光ニッポンの牽引役、アパレルの覇者......その哲学と発想と行動力で輝く日本の経営者たち

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係・仕事で後悔しないために
  • 3
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々と撤退へ
  • 4
    人口世界一のインドに迫る少子高齢化の波、学校閉鎖…
  • 5
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 6
    【クイズ】北大で国内初確認か...世界で最も危険な植…
  • 7
    「子どもが花嫁にされそうに...」ディズニーランド・…
  • 8
    都議選千代田区選挙区を制した「ユーチューバー」佐…
  • 9
    韓国が「養子輸出大国だった」という不都合すぎる事…
  • 10
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 7
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 8
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 9
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 10
    「アメリカにディズニー旅行」は夢のまた夢?...ディ…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中