最新記事

アメリカ経済

アメリカ企業、トランプ勝利で海外利益への大幅減税を期待

2016年11月13日(日)07時30分

11月10日、米大統領選でドナルド・トランプ氏(写真)が勝利し、共和党が連邦議会の上下両院を抑えたことで、米大手企業の間では海外利益での課税に対する大規模減税導入への期待が高まっている。ノースカロライナ州で3月撮影(2016年 ロイター/Chris Keane)

 米大統領選でドナルド・トランプ氏が勝利し、共和党が連邦議会の上下両院を抑えたことで、米大手企業の間では海外利益での課税に対する大規模減税導入への期待が高まっている。

 トランプ氏と共和党にとって税制改革は最も実りの多い分野。それぞれが独自案を示しているが、内容は類似している。いずれも法人税の税率引き下げと個人所得税の簡素化・税率引き下げを盛り込み、企業が低い税率で海外に溜め込んだ利益を本国に持ち込むことを認めていることから、抜本改革への期待が高まっている。

 プライスウォーターハウスクーパースの税制政策サービス事業の共同責任者、ローイト・クマール氏は「税制政策に関しては、トランプ氏は事を進めるに当たって基本的に下院の青写真を取り込んだ」と指摘。「来年に事態が動く可能性はこの数年で最も高い」と述べた。

 問題の核を成しているのは、企業が本国に送金するまでは海外利益に課税しないことを定めた法人税制。この税制の下で米大企業が海外に溜め込んだ利益は2兆6000億ドルに上る。

 法人税の監視団体シチズンズ・フォー・タックス・ジャスティスの3月の推計によると、海外保有利益が最も多いのはアップルの2000億ドルで、これにファイザー(1940億ドル)、マイクロソフト(1080億ドル)、ゼネラル・エレクトリック(GE)(1040億ドル)が続く。

 共和党が導入を働きかけている下院案は、法人税率を35%から20%に引き下げ、多国籍企業に既存の海外利益の本国送還を義務付けるとともに、「テリトリアル課税」制度を導入して海外利益への課税をほぼ停止するという内容。

 一方のトランプ氏は法人税率を15%まで引き下げ、現金で保有する海外利益については本国送金に10%の税率を適用し、今後10年間にわたって支払い可能とするよう提案している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

トランプ氏、FRB次期議長の承認に自信 民主党の支

ワールド

エプスタイン文書追加公開、ラトニック・ウォーシュ両

ワールド

再送-米ミネソタ州での移民取り締まり、停止申し立て

ワールド

移民取り締まり抗議デモ、米連邦政府は原則不介入へ=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 2
    世界初、太陽光だけで走る完全自己充電バイク...イタリア建築家が生んだ次世代モビリティ「ソラリス」
  • 3
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」から生まれる
  • 4
    中国がちらつかせる「琉球カード」の真意
  • 5
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 6
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 7
    【銘柄】「大戸屋」「木曽路」も株価が上がる...外食…
  • 8
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 9
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 10
    「着てない妻」をSNSに...ベッカム長男の豪遊投稿に…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 5
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 6
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 7
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 8
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中