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憲法70歳の改憲論議、対立軸は左右より世代間へ

2016年11月12日(土)11時00分
河東哲夫(本誌コラムニスト)

 今の国際環境は冷戦後の第2局面にある。ソ連崩壊後、一極支配を謳歌したアメリカは、傲慢に溺れて失敗した。「中東を改造し民主化」すると称して始めたイラク戦争は民主化どころか、中東諸国で塩漬けにされてきた諸勢力間の対立を明るみに出し、ミニ大戦の様相を呈した。

 戦費の垂れ流しによる財政危機にリーマン・ショックが追い打ちをかけ、米国内を含めて世界的に格差を大きく広げた。そうやって、アメリカは内外でその指導力を低下させた。

 その中で、日本は武装解除状態のままでいることはもうできない。米軍は抑止力として相変わらず不可欠の存在だが、尖閣諸島くらいは日本自身の力で守れなければなるまい。そのためには、個別・集団的自衛権の存在と自衛隊は憲法でしっかりと規定されねばならない。

【参考記事】日本と中東の男女格差はどちらが深刻か

 憲法ももう70歳。世代交代の時期だ。改憲の問題は、アメリカに対する敗戦の恨みを忘れないウルトラ保守、あるいはソ連や中国の共産主義への幻想を持つ革新勢力に独占されてきた。両者の対立をメディアが現実離れしたドラマに仕立てて商売の手段としてきた感がある。

 憲法は日本人の安全と職と権利を守る枠組みを提供し、社会や世界の変化に追い付いたものにしなければならない。怨念、情念、イデオロギーや政治的打算から離れ、普通の人たちによる議論を改憲に反映してほしい。

 保守・革新よりも、これから何十年も難しい世界の中で生きていかねばならない後進の世代の声こそ、きちっと反映されるべきだ。そうなれば、野党の改憲反対運動も気が抜けたものとなるだろう。

[2016年11月 8日号掲載]

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