最新記事

米金利

アメリカFRBが金利現状維持を決定 但し年内利上げ強く示唆

2016年9月22日(木)11時31分

今回の決定は賛成多数。ジョージ米カンザスシティー地区連銀総裁、メスター米クリーブランド地区連銀総裁、ローゼングレン米ボストン地区連銀総裁の3名が利上げを主張し反対にまわるなど、FRB内で意見の不一致が広がっていることが浮き彫りとなった。

FRBメンバーによる今後の政策金利の推移を点で示したグラフ、いわゆるドット・プロットが示す年内の利上げ回数は、前回の2回から1回に後退。メンバー17人中3人は年内の据え置きを見込む。また2017年、18年の金利見通しも弱まり、長期の金利予想は従来の3.0%から2.9%に低下した。

金利先物が織り込む12月利上げの確率は50%超と、従来から大きな変動はみられていない。株式相場は値上がりで反応した。

アリアンツの首席経済アドバイザー、モハメド・エラリアン氏は「7対3での決定となったことは非常に異例で、FRBが政策をめぐりジレンマを抱えていることを示している。これにより12月利上げの公算が大きくなった」と述べた。

<焦点は12月>

今回の声明では、経済見通しをめぐる短期的リスクはおおむね均衡(roughly balanced)しているもよう、との判断が示された。これは、経済が見通しを下回るか上回るかの可能性がほぼ同等であると当局者が認識していることを意味している。4-6月の経済成長率は低調に推移するなか、8月の雇用の伸びは予想に届かず、物価上昇率は反対に予想を上回った。

次回FOMCは11月1-2日に開かれるが、大統領選挙の直前に当たることなどから、政策変更は見送られるとの見方が多く、12月13-14日に開かれる年内最後のFOMCが焦点となる。

*ドット・チャートを含む予測資料は以下でご覧ください。

https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/fomcprojtabl20160921.pdf

https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomcprojtabl20160921.htm

*以下の図表もご覧ください。

http://tmsnrt.rs/1RzUE7v



[ワシントン 21日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ハマス代表団、停戦協議でカイロへ 米・イスラエル首

ビジネス

マスク氏が訪中、テスラ自動運転機能導入へ当局者と協

ワールド

バイデン氏「6歳児と戦っている」、大統領選巡りトラ

ワールド

焦点:認知症薬レカネマブ、米で普及進まず 医師に「
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われた、史上初の「ドッグファイト」動画を米軍が公開

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    美女モデルの人魚姫風「貝殻ドレス」、お腹の部分に…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中