最新記事

ブラジル

リオは便乗商法が花盛り、五輪マークのコカインまで

2016年8月9日(火)09時50分

 しかし、ブラジルではヤミ市場が一大産業となっている。さまざまな業界の試算によると、海賊版の売上げは年間300億ドルをはるかに超えるという。

 オリンピック主催者がこの問題に直面するのは、初めてのことではない。2008年の北京五輪のときも、やはり多くの海賊版の製造拠点である中国で取り締まりが展開された。

 アラガオン警部率いるチームは先週、有名なコパカバーナとイパネマのビーチ周辺にある観光客向け市場の土産物屋を摘発した。ペン、キーホルダー、Tシャツ、ビーチタオルなど、2300品目以上を押収したという。

「どの業者も、こういうイベントがあると、違法かどうか分かっていても一儲けしたがる」と同警部は言う。

 捜査網に引っかかった業者のなかには、さっぱり合点がいかないという者もいる。

 「リオ2016。これがどう保護されているというのか。ただ、地名と年を並べただけではないか」。そう憤るのは、コパカバーナで土産物のナンバープレートを売っているワシントン・バルデラマさんだ。先週の摘発で75枚が押収され、600ドルの売上を失ったという。

摘発はいたちごっこ

 今年5月の法改正で著作権法が強化され、「リオ2016」「オリンピック大会」「リオ・オリンピアード」などの名称と「その他これらの略称又はバリエーション」は、言語を問わず権利保護されることになった。

 五輪主催者側は、リオを訪れる観光客が必ず足を運ぶコパカバーナの砂浜海岸に「メガストア」と称する巨大な白いテントをオープンしている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国万科の社債権者、返済猶予延長承認し不履行回避 

ビジネス

ロシアの対中ガス輸出、今年は25%増 欧州市場の穴

ビジネス

ECB、必要なら再び行動の用意=スロバキア中銀総裁

ワールド

ロシア、ウクライナ全土掌握の野心否定 米情報機関の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 6
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 7
    【外国人材戦略】入国者の3分の2に帰国してもらい、…
  • 8
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 9
    「信じられない...」何年間もネグレクトされ、「異様…
  • 10
    米空軍、嘉手納基地からロシア極東と朝鮮半島に特殊…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 9
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 10
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中